1680・1681の乖離率がえらいことに

水瀬ケンイチ

市場価格と基準価額の乖離に注目が集まっている「上場MSCIコクサイ株」(1680)と「上場MSCIエマージング株」(1681)ですが、直近の乖離率がえらいことになっています。

上場MSCIコクサイ株(1680) +12.44%
上場MSCIエマージング株(1681) +11.57%
(データ出展:モーニングスター・2010年5月7日時点)

(関連記事)
2010/05/06 「市場価格」と「基準価額」の乖離率に意味がない?
2010/05/07 昨日の記事に対するtwitterでの反応をメモ

上記記事『「市場価格」と「基準価額」の乖離率に意味がない?』で取り上げた日興アセットマネジメントのコラムでは、「海外資産を対象にするETFについては、ETFの取引時点が、保有資産の評価時点とも為替の評価時点とも一致しないので乖離しているのが当たり前」といった説明がされていました。
わかったようなわからないような感じですが、次回コラムにヒントもありそうなので、もう少し待とうかというのが僕の感想でした。

上記記事『昨日の記事に対するtwitterでの反応をメモ』では、twitterでさっそく議論になっていた内容をメモしてありますが、「乖離の原因が評価時点のズレにあるとしたら、乖離が常にプラス方向なのは何故だろう?」「組み入れ資産が先物主体で裁定が効きにくい状況で買い手が多い需給のためではないか」といった意見が出ていました。
要するに、なんだかんだ言ってプレミアム状態なんじゃないの?といった疑惑です。

まだ本当のところは分かりませんが、市場価格と基準価額の乖離が11%とか12%とかいうのは、いくらなんでも異常値に見えます。
両商品とも上場から間もないため、長い目で見ようというスタンスでしたが、11%とか12%のリターンをあげるのに、どれだけのリスクを負ってどれだけの時間をかけなければならないかを考えると、ちょっと看過できないレベルだと感じます。
どういう説明がなされるのか(あるいはなされないのか)分かりませんが、これだけの乖離率を目の当たりにすると、たとえ「乖離するのが当然」と言われても、ちょっと手が出しにくいというのが正直なところです。

現状、個人的にはメインの投資ビークルとして海外ETFを使っているのですが、当面これでいいかなという思いが強くなってきました。
それにしても、インデックス投資にはインデックスファンド・国内ETF・海外ETFという選択肢がありますが、今のところ本当に一長一短だなと思い知らされます。

インデックス投資環境は依然発展途上のようです。
関連記事




投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ