リスク許容度について

水瀬ケンイチ

ファイナンシャルプランナー(FP)さんが語る資産運用相談の傾向とポイントについての記事がありました。

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[ ETFがわかれば世界がわかる 著名人にインタビュー ]
【第7回】ファイナンシャルプランナー藤川太氏が語る「資産運用相談の傾向と資産形成のポイント」

世界金融危機後、FPさんのもとにはどのような資産運用相談が寄せられているのか興味があったのですが、その一端が分かる記事でした。
やはり運用がうまくいっているという人は非常に少なくなっているそうです。

印象的だったのは、

「この手の経済危機というものは、これまでも10年に2回くらいは生じていました。ここで注目すべき点は、こうした株価の大暴落を受けて、心が完全に折れてしまったという人と、そうでない人とに二分されていることです」
「明暗を分けた一番のポイントは、やはり過剰なリスクを取っていたのかどうかという点に尽きるでしょう」
「自分自身で負えるリスクを超えてしまった人と、そうでない人との明暗を分けたのは、何だったのでしょうか」⇒「運用の目的が明確に見えている人の場合は、比較的リスクが抑えやすくなります」

というリスク許容度の問題についてでした。

自分のリスク許容度を把握するのは、難しいことなのかもしれません。
運用がうまくいっている間はリスク許容度が大きくなり、いざ相場が下落するとリスク許容度が下がってしまうという意見を聞くことがあります。
リスク許容度は変化するという意見です。

しかし、気持ち的には分かりますが、個人的には、それは本当のリスク許容度ではなかったのではないかと思います。
自分がどれだけの損失に耐えられ得るかということは、究極的には「想像力」の世界なのかもしれません。
でも、リスク許容度は投資において非常に重要な要素ですし、特に運用資産が大きくなってくると、「想像と違っていた」では済まされません。
最大限に「想像力」を働かせるべきだと思います。

次善の策としては、一度大きな下げ相場を経験し、その時の感覚をしっかりと胸に刻み、今後のリスク許容度に反映させるということでしょうか。
一度はフラついても、二度目以降はフラつかないということです。
コラムでは、運用の目的が明確に見えているとリスクが抑えやすくなるとのことですので、活用してみてもいいと思います。

いずれにしても、相場の波があるたびにフラフラと変化してしまうリスク許容度では、ポートフォリオ構築の要素として使いづらいです。
平時のうちから、しっかりと自分のリスク許容度を把握しておきたいものだなぁと思いました。


P.S
相場の波ではなく、ライフイベントにともなってリスク許容度が変化するのは自然なことだと思います(転職・結婚・子供ができる・住宅ローンを組む等)。その時は臨機応変に。

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Posted by水瀬ケンイチ