投資信託の「基準価額」?「基準価格」?

水瀬ケンイチ

一般に、投資信託の価格のことを「基準価額」(きじゅんかがく)と言います。

目論見書にもそう書かれています。
先般、目論見書の簡素化が行なわれ、一部の専門用語が一般的な用語に変更されましたが、変更後も基準価額は基準価額のままのようです。

ところが、日経新聞では基準価額のことをなぜか「基準価格」(きじゅんかかく)と表記することが多いのが、昔から気になっていました。
今朝の日経新聞でも、4面中央の「ことば」というコーナーで「投信の基準価格」という用語解説記事がありました。(内容は投信の基準価額についてでした)

実は以前、ある日経新聞関係者のかたに、「どうして日経新聞では基準価額のことを基準価格と表記することが多いのですか?」とこの疑問を投げかけたことがありました。
その時のお答えが以下のとおりです。

『「基準価額」という表現には相応の理由があるわけでしょうから、専門家の中には「基準価格」という言葉に違和感を感じられる方もいらっしゃるかとは存じます。ただ、あまり本質的な問題が生じないのであれば、できるだけ一般の人にわかりやすい表現を使った方がいいというのが、社内の多くの意見だと思います。』

一般の人にわかりやすいからというのが理由のようです。
たしかに、「基準価額」ってわかりづらい。
僕も投資信託の勉強をして初めて「価額」なんて言葉に出会ったクチです。
ただ、かといって正式な用語があるのに、それを勝手に書き換えて伝えてしまっていいのかどうかも、ちょっとだけ引っかかります。

もしかしたら、投資信託とは関係ない他のいろいろな言葉全般でも、専門用語は一般的な用語に書き換えて報道されているのかもしれませんね。
新聞社も、言葉の使い方はいろいろ苦労されているようです。

ちょっとした雑学記事でした。
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Posted by水瀬ケンイチ