週刊ダイヤモンド特集「重厚長大の逆襲」を読んで思う (その2)

水瀬ケンイチ

前回の記事「週刊ダイヤモンド特集「重厚長大の逆襲」を読んで思う(その1)」の続きです。
いよいよ期待の投資家Partです。

○Part4 投資家必読!
デフレ終了で市場評価一変。今から買える有望株・割安株


重厚長大銘柄で有望銘柄を見分けるポイントは以下のとおりとのこと。

(1)過剰借り入れが解消されるなど、財務リストラが終了していること。
(2)一朝一夕には入手できない技術、人材、商圏、資産を保有していること。
(3)市況に左右されがちな業界であるが、市況に左右されにくい高付加価値商品や競争力ある技術を保有していること。

また、業種ごとの景気見通しと、期待銘柄が取り上げられています。

<鉄鋼>
供給過剰の影響は軽微。利回り2.5%のJFE。

景気予報:2005年晴れ/2006年晴れ曇り/2007年晴れ曇り
期待できる株価強気材料:国内の底堅い高級鋼板需要と価格転嫁の成功
懸念される株価弱気材料:中国の生産過剰と鉄鉱石の値上がり
期待の銘柄:配当利回り2.5% JFEホールディングス(5411)

<非鉄・金属>
LNG船用で独占の古河スカイ。金で一発狙いの住友金属鉱山。

景気予報:2005年晴れ/2006年晴れ曇り/2007年晴れ曇り
期待できる株価強気材料:電線需要拡大、金価格暴騰の可能性
懸念される株価弱気材料:銅価格下落と電子材料の伸び悩み
期待の銘柄:LNG船用で独占 古川スカイ(5741)

<造船・重機>
利益なき繁忙続く造船事業。航空事業で会社を支えきれず。

景気予報:2005年曇り/2006年雨/2007年晴れ曇り
期待できる株価強気材料:継続的な受注の維持、設備投資の拡大
懸念される株価弱気材料:コスト上昇、海外勢への劣勢、経営者の慢心
期待の銘柄:高収益企業に変身 住友重機械工業(6302)

<建機・農機>
世界各地で人気爆発!小型に強いクボタに割安感

景気予報:2005年晴れ/2006年晴れ/2007年晴れ
期待できる株価強気材料:小型建機ブーム、設備投資拡大、鉱山開発加速
懸念される株価弱気材料:鋼材価格の上昇、中国景気の減速
期待の銘柄:今や高成長企業 クボタ(6326)

<化学>
需要旺盛で高水準の業績続く。積極投資する東ソーに割安感。

景気予報:2005年晴れ/2006年晴れ/2007年晴れ曇り
期待できる株価強気材料:定期修理による需要逼迫、電子材料の堅調
懸念される株価弱気材料:原料価格上昇、電子素材の需要減
期待の銘柄:割安修正が始まる 東ソー(4042)

<航空関連>
収穫期入りした航空事業。期待の星は炭素繊維の東レ。

景気予報:2005年晴れ曇り/2006年晴れ/2007年晴れ
期待できる株価強気材料:航空機需要の拡大、日本企業のシェア上昇
懸念される株価弱気材料:原料価格上昇、研究開発や設備投資負担増
期待の銘柄:今では航空銘柄に 東レ(3402)
とこんな感じでした。
「重厚長大銘柄で有望銘柄を見分けるポイント」については、確かにそのとおりと思う反面、根拠が定性的で、この3点で本当に必要十分なのか不明です。この考え方はいったい誰のものなのでしょう。ライターさんでしょうか。

景気予報も根拠不明のものが多く、いったい誰のどんな予想?という感じです。
強気材料・弱気材料は、どちらが強いのか判断できず、結局両方の可能性があることを断っているだけとも取れます。また、個別具体的なものもありますが、「経営者の慢心」「海外勢への劣勢」など、それって個別の材料じゃなくて単なる一般論では?と取れるものも混じっています。
期待の銘柄も、信用できるのか…。唐突感があるんですよね。なぜその1銘柄なのか、判断基準がわからず、いまいち納得感が得られません。何かの事情、ポジショントークの可能性も感じてしまいました。勘繰りすぎかもしれませんが。
う~ん、投資家必見!Partとしては、ちょっと残念な感じです。

○Part5 就職・転職するならどこ?
採用枠拡大でチャンス到来!有力企業の「門戸のたたき方」


このPartは、本ブログ読者の皆さまにはあまり関係がない方が多いと思われるので、割愛させていただきます(就活生の方、いらゃっしゃったらゴメンナサイ)。

というわけで、週刊ダイヤモンド特集「重厚長大の逆襲」は、期待が高かったせいもあると思いますが、前半の事実ベースの知識部分は興味深かったのに対して、後半の投資部分はちょっと物足りなかったように感じました。投資初心者の方が鵜呑みにしないことをお祈りします。
しかしながら、日本の重厚長大産業、これからも注目していきたいとの思いを新たにしました。

(おわり)

<ご参考>
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Posted by水瀬ケンイチ