東証がETFの純資産額をリアルタイムで把握できるように

水瀬ケンイチ

東証が、ETFの推定純資産額(インディカティブNAV)の算出・配信を2011年3月を目途に開始すると発表しました。

東京証券取引所 東証からのニュース
2010/12/29 上場投資信託(ETF)の推定純資産額(インディカティブNAV)の算出・配信について

推定純資産額もインディカティブNAVも舌をかみそうなので、以下「iNAV」と省略させていただきます。
iNAVとは、ETFの保有資産を時価評価した指標です。
ポイントは、
・ETF一口あたりの推定純資産額をリアルタイム(15秒ごと)で算出・配信
・立会時間中に、ETFの市場価格と一口あたりの推定純資産額を比較することが可能
です。

今までは、ETFの純資産額は「基準価額」として1日1回だけ運用会社から発表されていました。
これをリアルタイムで把握できるようになるということです。
海外ETFでは既に導入されていて、Yahoo!Finance(英語版)で、ティッカーに続けて、「.iv」を付けて検索すると理論価値が表示されるのですが、アレのことだと思います。

これで、日本でも、投資家が買おうとしているETFが適正価格なのか、プレミアム状態なのか、ディスカウント状態なのかがすぐに分かるようになり、損な価格で売買することを避けられるようになると思われます。

ただ、国内資産に投資するETFはいいのですが、1680や1681など海外資産に投資するETFでは注意が必要そうです。

日興アセットマネジメントのサイトによると、海外資産に投資するETFのiNAVについて、

『ETFとそのETFが対象とする資産が同じ時間帯の市場で取引されていない(海外資産を対象とする)環境では、推定一口当たり純資産価格(インディカティブNAV)も比較が難しそうです。なぜなら、ETFが対象とする資産の取引所はクローズしていて値段が動かなくなっていますが、為替は動いているので為替の値動きだけ洗い替えた推定一口当たり純資産価格(インディカティブNAV)となっているからです』

とのこと。
投資対象の資産価格は前日終値で固定されていて、為替の動きだけが反映されているiNAVになるそうです。
ちょっと中途半端な数字になってしまうのですね。
<関連記事>
2010/05/15 ETF売買の新たな目安の導入が検討中

とはいえ、東証のiNAVの配信開始は、投資家の利便性向上に大きく貢献するものだと思います。
東証さん、グッジョブ!(^^)b
ぜひ大証さんも続いてください。

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Posted by水瀬ケンイチ