世界の証券取引所再編加速、日本は……
水瀬ケンイチ
昨日は、1日のうちに世界の証券取引所の大型合併報道が2件ありました。
時事ドットコム NYSEと独取引所が合併協議=デリバティブでも世界最大級-証取再編が加速
ウォールストリートジャーナル日本版 ロンドン証取とトロントTMXグループが合併交渉
ニューヨーク証券取引所(NYSE)などを運営する世界最大の証取運営会社NYSEユーロネクストと、フランクフルト証券取引所などを運営するドイツ取引所が合併に向けて協議に入ったと発表しました。
合併すれば通常の証券取引だけでなく、デリバティブ取引でも世界最大級のグループになる見通し。規模拡大によりコスト削減を図るとともに、シェアの拡大を目指すそうです。
また、ロンドン証券取引所(LSE)と、トロント証券取引所(TSX)を運営するTMXグループは、合併に向けた交渉を進めていると発表しました。
こちらは合併により、世界最大の資源取引所になるそうです。
他にも、昨年10月にはシンガポール取引所がオーストラリア証券取引所に買収案を提示しています。
世界の証券取引所は統合・再編がどんどん進んでいます。
資本市場のグローバル化で証券市場間の競争が激化しており、各国の取引所は有利な条件を競っています。また、近年では高速な取引システム技術でも競っています。
規模が大きく流動性に富む市場を目指して国境を越えた再編が進んでいます。
翻って日本は……
時事ドットコム NYSEと独取引所が合併協議=デリバティブでも世界最大級-証取再編が加速
ウォールストリートジャーナル日本版 ロンドン証取とトロントTMXグループが合併交渉
ニューヨーク証券取引所(NYSE)などを運営する世界最大の証取運営会社NYSEユーロネクストと、フランクフルト証券取引所などを運営するドイツ取引所が合併に向けて協議に入ったと発表しました。
合併すれば通常の証券取引だけでなく、デリバティブ取引でも世界最大級のグループになる見通し。規模拡大によりコスト削減を図るとともに、シェアの拡大を目指すそうです。
また、ロンドン証券取引所(LSE)と、トロント証券取引所(TSX)を運営するTMXグループは、合併に向けた交渉を進めていると発表しました。
こちらは合併により、世界最大の資源取引所になるそうです。
他にも、昨年10月にはシンガポール取引所がオーストラリア証券取引所に買収案を提示しています。
世界の証券取引所は統合・再編がどんどん進んでいます。
資本市場のグローバル化で証券市場間の競争が激化しており、各国の取引所は有利な条件を競っています。また、近年では高速な取引システム技術でも競っています。
規模が大きく流動性に富む市場を目指して国境を越えた再編が進んでいます。
翻って日本は……
国内に東京証券取引所をはじめ、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所など、いくつもの証券取引所があります。
これでも、神戸証券取引所、広島証券取引所、新潟証券取引所、京都証券取引所は統合されてきたので減った方です。
頼みの東証は、以前あった株式公開の計画が頓挫し目処がたっていませんし、デリバティブなど総合取引所化も話だけで進んでいるようには見えません。
海外証券取引所とは、NYSEユーロネクストやロンドン証券取引所や香港取引所とTOPIXのETFの上場など小規模な提携は進んでいますが、取引所レベルでの統合・再編には至っていません。
日本の法令では、海外の取引所は原則として日本の取引所の株式の20%以下しか保有できないことになっているそうです(出典:野村総研レポート)。これは取引所の独立性を守る趣旨で設定されているらしいのですが、これが海外との競争の足かせになってしまっているのかもしれません。
個人投資家としては、もし国内の証券取引所で世界中の株やETFが売買できたら、どんなに便利だろうと思います。
法律・会計上の課題、言語の課題などがあるのだと思いますが、実際にそれらを乗り越え、世界の取引所の統合・再編はどんどん進んでいます。
日本が独立性を守るあまり世界から取り残されて「ガラパゴス」状態になり、日本の投資家だけ不利益を被るようなことにはならないで欲しいと思います。
これでも、神戸証券取引所、広島証券取引所、新潟証券取引所、京都証券取引所は統合されてきたので減った方です。
頼みの東証は、以前あった株式公開の計画が頓挫し目処がたっていませんし、デリバティブなど総合取引所化も話だけで進んでいるようには見えません。
海外証券取引所とは、NYSEユーロネクストやロンドン証券取引所や香港取引所とTOPIXのETFの上場など小規模な提携は進んでいますが、取引所レベルでの統合・再編には至っていません。
日本の法令では、海外の取引所は原則として日本の取引所の株式の20%以下しか保有できないことになっているそうです(出典:野村総研レポート)。これは取引所の独立性を守る趣旨で設定されているらしいのですが、これが海外との競争の足かせになってしまっているのかもしれません。
個人投資家としては、もし国内の証券取引所で世界中の株やETFが売買できたら、どんなに便利だろうと思います。
法律・会計上の課題、言語の課題などがあるのだと思いますが、実際にそれらを乗り越え、世界の取引所の統合・再編はどんどん進んでいます。
日本が独立性を守るあまり世界から取り残されて「ガラパゴス」状態になり、日本の投資家だけ不利益を被るようなことにはならないで欲しいと思います。
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