リタイア後の資産運用法について その1
水瀬ケンイチ
今朝の日経新聞朝刊17面に、リタイア後の資産運用法についての記事が出ていました。
リタイア後の運用法は、現役世代の運用法と何か違うのでしょうか?安全資産の比率を高める以外は同じじゃないの?と思っていたので、興味深く読ませてもらいました。
記事にはいろいろなアドバイスがありましたが、参考になる部分といまいちだとと思われる部分があったので、備忘録代わりにメモしておきます。
・退職金はすぐに運用しなければならないと考える人が多いが、数ヶ月は定期預金にしてゆっくり使い道を考えよう
→良いアドバイスだと思います。
特に、資産運用の経験がないかたは、初めてまとまった大金を手にして舞い上がってしまうかもしれません。勧められるがまま妙な金融商品に手を出してしまうくらいなら、しばらく引き出せない定期にとりあえず入れておき、腰を据えて運用の基礎的知識を勉強をするのはアリだと思います。
・普段の生活資金(普通預金)と、子供の結婚資金援助など何かに使う「ゆとり資金」(債券や定期預金)、相続も見えた「残す資金」(長期運用)に3分割しよう
→いまいちなアドバイスだと思います。
ポートフォリオの安全資産部分を生活費にあててしまうと、最初はいいのですが、年を追うごとに安全資産が減りポートフォリオがハイリスクになっていくというおかしなことになってしまいます。子供が結婚したら債券クラスがなくなるとか、運用としてよくありません。
運用資産は使い道別に運用商品を分けたりせずに、最適なポートフォリオで一括管理し、それを必要に応じて所定の比率で売却していくのが合理的だと思います。
リタイア後の運用法は、現役世代の運用法と何か違うのでしょうか?安全資産の比率を高める以外は同じじゃないの?と思っていたので、興味深く読ませてもらいました。
記事にはいろいろなアドバイスがありましたが、参考になる部分といまいちだとと思われる部分があったので、備忘録代わりにメモしておきます。
・退職金はすぐに運用しなければならないと考える人が多いが、数ヶ月は定期預金にしてゆっくり使い道を考えよう
→良いアドバイスだと思います。
特に、資産運用の経験がないかたは、初めてまとまった大金を手にして舞い上がってしまうかもしれません。勧められるがまま妙な金融商品に手を出してしまうくらいなら、しばらく引き出せない定期にとりあえず入れておき、腰を据えて運用の基礎的知識を勉強をするのはアリだと思います。
・普段の生活資金(普通預金)と、子供の結婚資金援助など何かに使う「ゆとり資金」(債券や定期預金)、相続も見えた「残す資金」(長期運用)に3分割しよう
→いまいちなアドバイスだと思います。
ポートフォリオの安全資産部分を生活費にあててしまうと、最初はいいのですが、年を追うごとに安全資産が減りポートフォリオがハイリスクになっていくというおかしなことになってしまいます。子供が結婚したら債券クラスがなくなるとか、運用としてよくありません。
運用資産は使い道別に運用商品を分けたりせずに、最適なポートフォリオで一括管理し、それを必要に応じて所定の比率で売却していくのが合理的だと思います。
・運用資金は一度に全額投資せず、せめて1年くらいかけて徐々に資産配分を完成させる
→いまいちなアドバイスだと思います。
ありがちなアドバイスだし、「高値掴みしたらどうしよう」という気持ちは痛いほど分かりますが、まとまったお金がある場合、徐々に投資しても、ゆっくりとリスクが増えていくだけでどうせ1年後にはMAXのリスクを負うことになります。その後20年以上そのポートフォリオで運用することになることを考えれば、1年程度の時間分散にあまり意味があるとは思えません。
ただ、相場動向が読めると思うかたは、全部一括投資ではなく、タイミングを見計らって投資する方が合理的です(私にはできませんが)。
・リタイア後、最大のリスクは物価上昇
→良いアドバイスだと思います。まったくそのとおり。
・退職後の人生を区切り、前半は運用しながら定率取り崩し、後半は運用をしないで定額取り崩し
→良いアドバイスだと思います。
前半は運用しつつ定率解約で資産の減少を抑え、後半は運用をやめて安全資金を定額で安定的に取り崩していく。前半の運用成績に左右されるとはいえ、判断力が衰える後半では運用しないというのは、なるほどなと思いました。
ただし、自分の死期を冷静に予測して運用を終了させ、資産の取り崩しにかかるというのは、高度な精神的修練が求められるような気はします。
・資産の取り崩しが前提のリタイア後の運用では、毎月分配型投信が便利だ
→商品による思います。
リタイア後の運用においては毎月分配型が悪いわけではないと思いますが、その「便利さ」が手数料(信託報酬)に見合うかどうかを判断する必要があると思います。人気の毎月分配型投信は信託報酬が高めです。例えば、「グローバル・ソブリン」のような外債ファンド(厳密にはグロソブには日本も入っていますが)に信託報酬年率1.5%も払うというのは「便利さ」の代償としてはあまりにも高すぎます。
どうしても毎月分配型がよいのなら、信託報酬が安いETFでも毎月分配型や隔月分配型があります。例えば、外債ETFの「上場外債」(1677)なら毎月分配でも信託報酬年率0.2625%です。
※いち投資家の個人的見解に過ぎません。実際にリタイア後の運用をされるかたは、ご自身の環境に合わせて自己判断なさってください。
(次回に続く)
→いまいちなアドバイスだと思います。
ありがちなアドバイスだし、「高値掴みしたらどうしよう」という気持ちは痛いほど分かりますが、まとまったお金がある場合、徐々に投資しても、ゆっくりとリスクが増えていくだけでどうせ1年後にはMAXのリスクを負うことになります。その後20年以上そのポートフォリオで運用することになることを考えれば、1年程度の時間分散にあまり意味があるとは思えません。
ただ、相場動向が読めると思うかたは、全部一括投資ではなく、タイミングを見計らって投資する方が合理的です(私にはできませんが)。
・リタイア後、最大のリスクは物価上昇
→良いアドバイスだと思います。まったくそのとおり。
・退職後の人生を区切り、前半は運用しながら定率取り崩し、後半は運用をしないで定額取り崩し
→良いアドバイスだと思います。
前半は運用しつつ定率解約で資産の減少を抑え、後半は運用をやめて安全資金を定額で安定的に取り崩していく。前半の運用成績に左右されるとはいえ、判断力が衰える後半では運用しないというのは、なるほどなと思いました。
ただし、自分の死期を冷静に予測して運用を終了させ、資産の取り崩しにかかるというのは、高度な精神的修練が求められるような気はします。
・資産の取り崩しが前提のリタイア後の運用では、毎月分配型投信が便利だ
→商品による思います。
リタイア後の運用においては毎月分配型が悪いわけではないと思いますが、その「便利さ」が手数料(信託報酬)に見合うかどうかを判断する必要があると思います。人気の毎月分配型投信は信託報酬が高めです。例えば、「グローバル・ソブリン」のような外債ファンド(厳密にはグロソブには日本も入っていますが)に信託報酬年率1.5%も払うというのは「便利さ」の代償としてはあまりにも高すぎます。
どうしても毎月分配型がよいのなら、信託報酬が安いETFでも毎月分配型や隔月分配型があります。例えば、外債ETFの「上場外債」(1677)なら毎月分配でも信託報酬年率0.2625%です。
※いち投資家の個人的見解に過ぎません。実際にリタイア後の運用をされるかたは、ご自身の環境に合わせて自己判断なさってください。
(次回に続く)
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