インデックスファンド、国内ETF、海外ETFの比較
水瀬ケンイチ
インデックス投資に使う主な金融商品は大きく分けて、(1)インデックスファンド、(2)国内ETF、(3)海外ETFの3種類があります。
これら3つを横並びに比較した情報が見当たらなかったので、「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」(山崎元・水瀬ケンイチ著)を執筆する中で、自分なりに整理して原稿を書きました。
でも、編集さんにばっさり切られて、結局ボツになってしまった部分があります。
本当はそこがいちばんのポイントだったという思いがあり、ブログに掲載しておきたいと思います。
ただし、本の執筆をしていた2010年9月時点の情報であり、若干情報が古くなっている(それでもまだ1年経っていませんが)部分があるので、そこは予めご了承ください。
何かのご参考になれば幸いです。
■インデックス投資商品の比較
インデックス投資をするための商品には、大きく分けて「インデックスファンド」「国内ETF」「海外ETF」の3種類がありますが、それぞれを私(水瀬)はこのように捉えています。
◆インデックスファンド <インデックス投資の基本形!>
<メリット>
・小額から買える(1万円より。証券会社によっては1000円から買える場合もあり)
・販売手数料なし(ノーロード)の商品が選べる
・金額指定で買える
・分配金再投資コースが選べる
・特定口座に入れられて税務処理が楽ちん
・自動積立サービスを利用できる
<デメリット>
・信託報酬がやや高い
・買う時には価格が分からない(買った後に価格が決まる)
・純資産が少なめの商品が多い
・今後、更に低コストな新商品が登場し投資商品が陳腐化する可能性がある
◆国内ETF <インデックス投資のニューフェイス!>
<メリット>
・インデックスファンドよりも信託報酬が低い
・売買が国内株式と同様に値動きを見ながら随時売買ができる
・証券会社によっては指値・成行注文だけでなく逆指値注文などが様々な注文が使える
・売買手数料が国内株式扱いで安い
・特定口座に入れられて税務処理が楽ちん
<デメリット>
・売買が株数単位になり、金額指定で買えない
・分配金の再投資は自分でやらなければならない
・日本株式クラス以外のアセットクラスの商品は選択肢が少なく且つ実績も少ない
・市場価格と基準価格の乖離が大きくなっている場合がある
◆海外ETF <インデックス投資の上級編!>
<メリット>
・インデックスファンドよりも信託報酬が低い
・売買が米国株式と同様に値動きを見ながら随時売買ができる
・様々なアセットクラスに豊富な投資対象がある
・長い実績がある商品が多い
・純資産が巨額で安定した運用をしている商品が多い
<デメリット>
・売買手数料が米国株式扱いで割高
・売買するのに為替手数料がかかる
・売買が株数単位になり、金額指定で買えない
・分配金の再投資は自分でやらなければならない
・ネット証券では特定口座に入れられず税務処理が面倒
(追記 2015/02/28:楽天証券とマネックス証券は特定口座対応済み)
◆結局、インデックスファンドか?国内ETFか?海外ETFか?
今まで見てきたように、インデックスファンド、国内ETF、海外ETFにはそれぞれ一長一短があります。短所・長所を理解したうえで、ご自身にいちばん合ったものを選択していただければよいと思います。
そのなかで、あえておすすめをするとすれば、基本はインデックスファンドでよろしいかと思います。3種類のインデックス商品の中では信託報酬は高めですが、売買(小額・ノーロード・自動積み立てなど)、運用(分配金再投資・リバランスのしやすさなど)、税務処理(特定口座に入る)など全般的に利便性が高く、投資を続けやすいのがインデックスファンドです。
インデックスファンドでは信託報酬がまだ高いと感じていて、まとまったお金があるかたは、初期費用(売買手数料・為替手数料など)を考慮し、手間(分配金再投資できない・ネット証券では特定口座に入れられないなど)がかかることを覚悟の上で、海外ETFに挑戦してもよろしいかと思います。
国内ETFは、ポテンシャルは高いのですが、日本株式クラス以外の商品がまだ実績が浅く様子見段階かもしれません。今後の動向に期待したいところです。
インデックスブロガーの中でも、インデックスファンドにしか投資していないかたもいますし、海外ETFを中心にしているかたもいます。
国内ETFを中心にしているかたはまだあまり見かけませんが、これから増えてくるかもしれません。
ただし、投資をするうえで何を重視するかは人それぞれなので、繰り返しになりますが、それぞれのインデックス商品の短所・長所を理解し、ご自身にいちばん合ったものを選択していただければよいと思います。
上記没ネタ部分には定性的なことばかり書いてありますが(でも、本当は大事なことだと思うんですけどね…)、本では、定量的なデータとともに、各インデックス商品の選び方のポイントと、具体的おすすめ商品名を明記しました。
もしご興味があれば、本を手にとってみてください。
これら3つを横並びに比較した情報が見当たらなかったので、「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」(山崎元・水瀬ケンイチ著)を執筆する中で、自分なりに整理して原稿を書きました。
でも、編集さんにばっさり切られて、結局ボツになってしまった部分があります。
本当はそこがいちばんのポイントだったという思いがあり、ブログに掲載しておきたいと思います。
ただし、本の執筆をしていた2010年9月時点の情報であり、若干情報が古くなっている(それでもまだ1年経っていませんが)部分があるので、そこは予めご了承ください。
何かのご参考になれば幸いです。
■インデックス投資商品の比較
インデックス投資をするための商品には、大きく分けて「インデックスファンド」「国内ETF」「海外ETF」の3種類がありますが、それぞれを私(水瀬)はこのように捉えています。
◆インデックスファンド <インデックス投資の基本形!>
<メリット>
・小額から買える(1万円より。証券会社によっては1000円から買える場合もあり)
・販売手数料なし(ノーロード)の商品が選べる
・金額指定で買える
・分配金再投資コースが選べる
・特定口座に入れられて税務処理が楽ちん
・自動積立サービスを利用できる
<デメリット>
・信託報酬がやや高い
・買う時には価格が分からない(買った後に価格が決まる)
・純資産が少なめの商品が多い
・今後、更に低コストな新商品が登場し投資商品が陳腐化する可能性がある
◆国内ETF <インデックス投資のニューフェイス!>
<メリット>
・インデックスファンドよりも信託報酬が低い
・売買が国内株式と同様に値動きを見ながら随時売買ができる
・証券会社によっては指値・成行注文だけでなく逆指値注文などが様々な注文が使える
・売買手数料が国内株式扱いで安い
・特定口座に入れられて税務処理が楽ちん
<デメリット>
・売買が株数単位になり、金額指定で買えない
・分配金の再投資は自分でやらなければならない
・日本株式クラス以外のアセットクラスの商品は選択肢が少なく且つ実績も少ない
・市場価格と基準価格の乖離が大きくなっている場合がある
◆海外ETF <インデックス投資の上級編!>
<メリット>
・インデックスファンドよりも信託報酬が低い
・売買が米国株式と同様に値動きを見ながら随時売買ができる
・様々なアセットクラスに豊富な投資対象がある
・長い実績がある商品が多い
・純資産が巨額で安定した運用をしている商品が多い
<デメリット>
・売買手数料が米国株式扱いで割高
・売買するのに為替手数料がかかる
・売買が株数単位になり、金額指定で買えない
・分配金の再投資は自分でやらなければならない
・ネット証券では特定口座に入れられず税務処理が面倒
(追記 2015/02/28:楽天証券とマネックス証券は特定口座対応済み)
◆結局、インデックスファンドか?国内ETFか?海外ETFか?
今まで見てきたように、インデックスファンド、国内ETF、海外ETFにはそれぞれ一長一短があります。短所・長所を理解したうえで、ご自身にいちばん合ったものを選択していただければよいと思います。
そのなかで、あえておすすめをするとすれば、基本はインデックスファンドでよろしいかと思います。3種類のインデックス商品の中では信託報酬は高めですが、売買(小額・ノーロード・自動積み立てなど)、運用(分配金再投資・リバランスのしやすさなど)、税務処理(特定口座に入る)など全般的に利便性が高く、投資を続けやすいのがインデックスファンドです。
インデックスファンドでは信託報酬がまだ高いと感じていて、まとまったお金があるかたは、初期費用(売買手数料・為替手数料など)を考慮し、手間(分配金再投資できない・ネット証券では特定口座に入れられないなど)がかかることを覚悟の上で、海外ETFに挑戦してもよろしいかと思います。
国内ETFは、ポテンシャルは高いのですが、日本株式クラス以外の商品がまだ実績が浅く様子見段階かもしれません。今後の動向に期待したいところです。
インデックスブロガーの中でも、インデックスファンドにしか投資していないかたもいますし、海外ETFを中心にしているかたもいます。
国内ETFを中心にしているかたはまだあまり見かけませんが、これから増えてくるかもしれません。
ただし、投資をするうえで何を重視するかは人それぞれなので、繰り返しになりますが、それぞれのインデックス商品の短所・長所を理解し、ご自身にいちばん合ったものを選択していただければよいと思います。
上記没ネタ部分には定性的なことばかり書いてありますが(でも、本当は大事なことだと思うんですけどね…)、本では、定量的なデータとともに、各インデックス商品の選び方のポイントと、具体的おすすめ商品名を明記しました。
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