「35歳貯金ゼロなら、親のスネをかじりなさい!」(小屋洋一著)は「2世代マネープランニング」の真面目な啓発本

水瀬ケンイチ

「35歳貯金ゼロなら、親のスネをかじりなさい!」(小屋洋一著)を読みました。

タイトルは一見トンデモ本みたいですが、いやいやさにあらず、「2世代マネープランニング」という今まであまり語られることのなかったテーマについて書かれた真面目な啓発本でした。

35歳貯金ゼロなら、親のスネをかじりなさい! ~一生お金に困らない2世代マネープランニング~35歳貯金ゼロなら、親のスネをかじりなさい! ~一生お金に困らない2世代マネープランニング~
小屋 洋一

すばる舎 2011-07-19
売り上げランキング : 2973

Amazonで詳しく見る
楽天ブックスで詳しく見る
by G-Tools

親のスネをかじるというと言葉の印象が悪いのですが、親子でマネープランニングをしっかり行ないましょうという内容です。
私を含め20代、30代のインデックス投資家は、自分たちの将来を自助努力でなんとかしようという方々が多いと思いますが、そこに親の資産という新たな要素を加えてマネープランを考えていこうという視点が新しいです。
本書はそれを平易な言葉で教えてくれます。

「2世代マネープランニング」をするためには、親の資産運用が今どうなっているのかを確認する必要があります。
これは、意外に大切なことかもしれないと思います。

私たちの親世代である「団塊の世代」は、現在、証券会社や銀行の営業マンから、毎月分配型&通貨選択型投信やノックイン債など、怪しげな金融商品を盛んに勧められている、金融機関の「上客」世代です。
私たちの親も、知らないうちに変な商品を買わされているかもしれません。

私事ですが、あれは7年前、平成電電の匿名組合という年利10%をうたう怪しげな商品に投資しようとしていた父親を、必死で止めたことを思い出します。この時は相談してくれたので事なきを得ましたが、その後の平成電電がどうなったかは、皆さまご承知のことと思います。
<関連記事>
2005/10/03 平成電電の破綻に思う

もし、お金はそれなりにあるけど金融リテラシーがない親世代、金融リテラシーはそれなりにあるけどお金がない20代・30代が、お互いに足りないところを補完しあえるなら、親子ともに幸せな将来が見出せるのではないでしょうか。
(お金がない親世代も、金融リテラシーがない子世代もいるので、一概には言えませんが…)
本書の小見出しにもありますが、「親の堅実な人生設計は、子どもにもメリットあり」ということだと思います。

とはいえ、いきなり親にお金の話を切り出すのは抵抗が……というかたもおられると思います。
本書では、どうやって話を切り出せばよいか、具体的なテクニックが書かれていて参考になります。こういう地に足の着いた生活感のあるアイディアは、個人的に好みです。
他にも、リバースモーゲージや相続についてなど、他のマネー本とはちょっと違った切り口の内容が新鮮でした。

ただ、その分、投資に関する部分の記述は最低限のものであり、本書だけですぐに始められるというレベルではありません。投資に特化した本をあわせて読んでほしいと思います。(巻末には「2世代マネープランをサポートする厳選の9冊」として、山崎元氏や橘玲氏、木村剛氏などの本が紹介されています)

皆さんも「2世代マネープランニング」にご興味があれば、手にとってみてください。
関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ