チャールズ・エリス氏セミナーレポート(その1)
水瀬ケンイチ
本日2011年10月9日に行なわれた、「敗者のゲーム」著者のチャールズ・エリス氏来日セミナーに参加してきました。
バンガード・インベストメンツ・ジャパン主催、クレディセゾン・セゾン投信協賛セミナー
「正しい投資の始め方 ~『敗者のゲーム』チャールズ・エリス氏を迎えて~」
日時:2011年10月9日(日) 13:30~16:10
会場:有楽町朝日ホール
通訳機器を使用した同時通訳はメモが取りづらく、象形文字を解読しながらのレポート執筆なので、間違い等あるかもしれません。
また、内容については、水瀬の主観による省略やまとめが含まれますことをご了承ください。
さて、会場となった有楽町朝日ホールの座席は、だいたい埋まっていたように思います。
聞いた話では、750人の定員に対して応募者が7,000人もいたとか。
いつもは前列を固めている投信ブロガー集団が見当たらなかったのは、そのためかも知れません。
これは腕まくりでレポートせねば。
肝心の内容ですが、長期的なマーケットの変化から、なぜ投資は敗者のゲーム(勝因がどれだけ相手がミスするかで決まるゲーム)なのか、行動経済学、インデックス投資、個人投資家がやるべきこと、一番大切なことは何か?等について話が進みました。最後には質疑応答がありました。
メモ内容を箇条書きに書き出してみたいと思います。ところどころに、水瀬のコメントを付けさせていただきます。
エリス氏登場、会場は割れんばかりの拍手。「なぜ、こんな良い天気の日にみんな室内にいるの?」という冗談を飛ばして講演開始。
■オープニングのあいさつ
・私は幸運である。適切な女性と結婚し、有能な運用業界の人物たちと知り合い、教訓を蓄積することができた
・有能な運用者たちは高いスキル・効率性・一生懸命さを持ちあわせていたが、ずっと成功することはできていなかった
・運用実績からコストを引くとネガティブサムになり市場平均をも下回った
・もちろん市場平均を上回る成功者もいたが、それは事前には選べない
(水瀬コメント)
いきなり「敗者のゲーム」の結論を言っちゃいました。いかにも米国流。「以上、講演終了!」でもとりあえずなんとかなる(?)
バンガード・インベストメンツ・ジャパン主催、クレディセゾン・セゾン投信協賛セミナー
「正しい投資の始め方 ~『敗者のゲーム』チャールズ・エリス氏を迎えて~」
日時:2011年10月9日(日) 13:30~16:10
会場:有楽町朝日ホール
通訳機器を使用した同時通訳はメモが取りづらく、象形文字を解読しながらのレポート執筆なので、間違い等あるかもしれません。
また、内容については、水瀬の主観による省略やまとめが含まれますことをご了承ください。
さて、会場となった有楽町朝日ホールの座席は、だいたい埋まっていたように思います。
聞いた話では、750人の定員に対して応募者が7,000人もいたとか。
いつもは前列を固めている投信ブロガー集団が見当たらなかったのは、そのためかも知れません。
これは腕まくりでレポートせねば。
肝心の内容ですが、長期的なマーケットの変化から、なぜ投資は敗者のゲーム(勝因がどれだけ相手がミスするかで決まるゲーム)なのか、行動経済学、インデックス投資、個人投資家がやるべきこと、一番大切なことは何か?等について話が進みました。最後には質疑応答がありました。
メモ内容を箇条書きに書き出してみたいと思います。ところどころに、水瀬のコメントを付けさせていただきます。
エリス氏登場、会場は割れんばかりの拍手。「なぜ、こんな良い天気の日にみんな室内にいるの?」という冗談を飛ばして講演開始。
■オープニングのあいさつ
・私は幸運である。適切な女性と結婚し、有能な運用業界の人物たちと知り合い、教訓を蓄積することができた
・有能な運用者たちは高いスキル・効率性・一生懸命さを持ちあわせていたが、ずっと成功することはできていなかった
・運用実績からコストを引くとネガティブサムになり市場平均をも下回った
・もちろん市場平均を上回る成功者もいたが、それは事前には選べない
(水瀬コメント)
いきなり「敗者のゲーム」の結論を言っちゃいました。いかにも米国流。「以上、講演終了!」でもとりあえずなんとかなる(?)
■NYSE(ニューヨーク証券取引所)が過去50年で変わったこと
・機関投資家比率10%→90%
・取引高150万株→30~50億株
・デリバティブ0→30~50億ドル
■不愉快なデータ
・機関投資家:アンダーパフォーム→1年で60%、10年超で70%、20年超で80%が市場平均に負けている
・個人投資家:アンダーパフォーム→投信対市場、投資家対投信、「自分自身で」更に悪い結果
・両者とも総じてマイナス
(水瀬コメント)
過去50年でマーケットは大きく変わりほとんど機関投資家が占めるようになったが、結果は市場平均に大きく負けている。一方で、個人投資家も投信や個別株投資をやったが、結局は高い時に買い安い時に売って、市場平均に負ける結果になった、ということだと思います。
データは残酷ですね。
■NYSEにいる敵
・パワフルで冷徹なプロ
・1億ドル超の資金(巨大な資金力がある)
・世界中に10万人のアナリスト(圧倒的な数がいる)
・ブルームバーグ等の情報にアクセス可(情報で武装している)
・高いモチベーション(ヘッジファンドは2%のベースフィーに25%の成功報酬)
・アルゴリズム取引
・グローバル化
■敗者のゲーム
・よく妻とテニスをやるが妻が勝つ。「彼女が勝った」というのはフェアではない。勝負の行方は私のミスにより決まる
・敗者の行動が勝敗を決めている
・敗者のゲームはテニスの他に、ラスベガス、政治、戦争、「パフォーマンス」投資など
・投資では皆が市場を上回ろうとするが、誰が一番ミスが少なかったかで勝負が決まる
■敗者のゲームになる理由
・売買回転率が100%以上
・ベンチマークとの同調(80%がほぼインデックスで、残り20%部分だけで勝負している)
・その20%部分に費用(運用者手数料・売買手数料・コンサル手数料等)がかかる
・個人投資家は…高く買って安く売る
(水瀬コメント)
マーケットには強力なプロや最新技術を駆使したアルゴリズムがしのぎを削っており、ミスが多い者から脱落していく(敗者のゲーム)。原因は、ベンチマークと付かず離れずの運用、売買のし過ぎ、コストのかけ過ぎ。個人投資家など高く買って安く売るということをやっており到底かなわない、ということだと思います。
殺伐としたマーケットの実態ですが、厳しい現実です。
ここまで、「敗者のゲーム」関連の話が続きます。
インデックス投資関連の情報で、大抵のプロがインデックスに勝てないという話はよく聞きますが、総合すると個人投資家も勝てないという主張は意外と珍しいかもしれません。
個別株投資のブログなどを見ると、インデックスに勝っている人たちも結構いるように感じます。もっとも、勝ってる人(時)しかブログを書かないということかもしれませんが。
(次回に続く)
・機関投資家比率10%→90%
・取引高150万株→30~50億株
・デリバティブ0→30~50億ドル
■不愉快なデータ
・機関投資家:アンダーパフォーム→1年で60%、10年超で70%、20年超で80%が市場平均に負けている
・個人投資家:アンダーパフォーム→投信対市場、投資家対投信、「自分自身で」更に悪い結果
・両者とも総じてマイナス
(水瀬コメント)
過去50年でマーケットは大きく変わりほとんど機関投資家が占めるようになったが、結果は市場平均に大きく負けている。一方で、個人投資家も投信や個別株投資をやったが、結局は高い時に買い安い時に売って、市場平均に負ける結果になった、ということだと思います。
データは残酷ですね。
■NYSEにいる敵
・パワフルで冷徹なプロ
・1億ドル超の資金(巨大な資金力がある)
・世界中に10万人のアナリスト(圧倒的な数がいる)
・ブルームバーグ等の情報にアクセス可(情報で武装している)
・高いモチベーション(ヘッジファンドは2%のベースフィーに25%の成功報酬)
・アルゴリズム取引
・グローバル化
■敗者のゲーム
・よく妻とテニスをやるが妻が勝つ。「彼女が勝った」というのはフェアではない。勝負の行方は私のミスにより決まる
・敗者の行動が勝敗を決めている
・敗者のゲームはテニスの他に、ラスベガス、政治、戦争、「パフォーマンス」投資など
・投資では皆が市場を上回ろうとするが、誰が一番ミスが少なかったかで勝負が決まる
■敗者のゲームになる理由
・売買回転率が100%以上
・ベンチマークとの同調(80%がほぼインデックスで、残り20%部分だけで勝負している)
・その20%部分に費用(運用者手数料・売買手数料・コンサル手数料等)がかかる
・個人投資家は…高く買って安く売る
(水瀬コメント)
マーケットには強力なプロや最新技術を駆使したアルゴリズムがしのぎを削っており、ミスが多い者から脱落していく(敗者のゲーム)。原因は、ベンチマークと付かず離れずの運用、売買のし過ぎ、コストのかけ過ぎ。個人投資家など高く買って安く売るということをやっており到底かなわない、ということだと思います。
殺伐としたマーケットの実態ですが、厳しい現実です。
ここまで、「敗者のゲーム」関連の話が続きます。
インデックス投資関連の情報で、大抵のプロがインデックスに勝てないという話はよく聞きますが、総合すると個人投資家も勝てないという主張は意外と珍しいかもしれません。
個別株投資のブログなどを見ると、インデックスに勝っている人たちも結構いるように感じます。もっとも、勝ってる人(時)しかブログを書かないということかもしれませんが。
(次回に続く)
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