「国際のETF VIX中期先物指数」が上場。これは暴落に備えたお守りになる?
水瀬ケンイチ
国際投信が、S&P VIX中期先物指数連動ETFを12月1日に大証へ上場するとのことです。
モーニングスター ニュース
2011/11/11 国際投信がS&PVIX中期先物指数連動ETF「国際のETF VIX中期先物指数」を大証上場へ
商品概要は以下のとおり。
・国際のETF VIX中期先物指数
S&P VIX中期先物指数連動(円換算)・信託報酬年率0.378%以内
既に、同様の指数に連動するETF「iPath® VIX中期先物指数連動」(2029)が出ていますが、信託報酬は年率0.89%です。「国際のETF VIX中期先物指数」の信託報酬は年率0.378%以内なので、こちらの方が低コストです。
また、同じ国際投信から、VIX短期先物指数に連動するETF「国際のETF VIX短期先物指数」(1552)が出ていますが、これの中期先物版ということになります。
ただ、モーニングスターの記事に書いてあることは、ちょっと注意が必要です。
モーニングスター ニュース
2011/11/11 国際投信がS&PVIX中期先物指数連動ETF「国際のETF VIX中期先物指数」を大証上場へ
商品概要は以下のとおり。
・国際のETF VIX中期先物指数
S&P VIX中期先物指数連動(円換算)・信託報酬年率0.378%以内
既に、同様の指数に連動するETF「iPath® VIX中期先物指数連動」(2029)が出ていますが、信託報酬は年率0.89%です。「国際のETF VIX中期先物指数」の信託報酬は年率0.378%以内なので、こちらの方が低コストです。
また、同じ国際投信から、VIX短期先物指数に連動するETF「国際のETF VIX短期先物指数」(1552)が出ていますが、これの中期先物版ということになります。
ただ、モーニングスターの記事に書いてあることは、ちょっと注意が必要です。
『将来の株式市場に対する投資家心理を示すものとして利用されている「S&P500 VIX短期先物指数」と比較して、相対的にボラティリティは低く、相場変動が穏やかな局面でも指数が値下がりしにくいという特性があるという』
とありますが、これを読んで、「そうか、では普段お守りとして持っていれば相場暴落時の保険になりそうだ」と思ってしまうと危険です。
VIX指数そのものと違い、VIX「先物」指数は、先物の限月間価格差のせいで平常時は減価し続けることが多いという特性(コンタンゴといいます)があります。
以前のブログ記事でも取り上げたことがあります
(該当記事)
2010/12/27 「VIX短期先物指数」(1552)の問題点
その時は「S&P500 VIX短期先物指数」についての記事でしたが、VIX短期先物がVIX中期先物に変わっても、この性質は変わりません。程度がマイルドになるだけです。
ためしに、最近の海外に上場されているVIX短期先物指数連動ETF(VIXY・黒いライン)とVIX中期先物指数連動ETF(VIXM・緑のライン)とS&P500(茶色のライン)の値動きを確認してみます。

VIX短期先物指数連動ETF(VIXY)ほどではないにしても、VIX中期先物指数連動ETF(VIXM)もS&P500が落ち着いている時期(1月~8月あたり)は値下がり傾向であることには変わりません。
モーニングスターの記事は、あくまで“S&P500 VIX短期先物指数と比較して”、ボラティリティが低く、相場変動が穏やかな局面でも指数が値下がりしにくいということだと思います。
やはり、「国際のETF VIX中期先物指数」も、相場暴落に備えた普段のお守りには向かない感じです。
タイミングを図ってピンポイントで活用する商品だと思います。
(それがうまくいくかは別問題ですが……)
<追記>2011/11/13
読者のかたから「国際のETF VIX中期先物指数」にはここで記載されている信託報酬以外のコストがかかるので「iPath® VIX中期先物指数連動」(2029)の方が低コストである旨のご指摘がありました。
調べてみると、信託報酬年率0.378%以内に加えて、指数連動有価証券の保有にかかる費用として年率0.6%程度がかかるようです(出典:国際投信のプレスリリース)。
いずれの費用も変動するので合計額を記載できないと書かれていますが、無理やり単純合計すると年率0.978%程度になり、たしかに2029の方が低コストになる可能性が高いです。ご指摘ありがとうございました。
<追記おわり>
とありますが、これを読んで、「そうか、では普段お守りとして持っていれば相場暴落時の保険になりそうだ」と思ってしまうと危険です。
VIX指数そのものと違い、VIX「先物」指数は、先物の限月間価格差のせいで平常時は減価し続けることが多いという特性(コンタンゴといいます)があります。
以前のブログ記事でも取り上げたことがあります
(該当記事)
2010/12/27 「VIX短期先物指数」(1552)の問題点
その時は「S&P500 VIX短期先物指数」についての記事でしたが、VIX短期先物がVIX中期先物に変わっても、この性質は変わりません。程度がマイルドになるだけです。
ためしに、最近の海外に上場されているVIX短期先物指数連動ETF(VIXY・黒いライン)とVIX中期先物指数連動ETF(VIXM・緑のライン)とS&P500(茶色のライン)の値動きを確認してみます。

VIX短期先物指数連動ETF(VIXY)ほどではないにしても、VIX中期先物指数連動ETF(VIXM)もS&P500が落ち着いている時期(1月~8月あたり)は値下がり傾向であることには変わりません。
モーニングスターの記事は、あくまで“S&P500 VIX短期先物指数と比較して”、ボラティリティが低く、相場変動が穏やかな局面でも指数が値下がりしにくいということだと思います。
やはり、「国際のETF VIX中期先物指数」も、相場暴落に備えた普段のお守りには向かない感じです。
タイミングを図ってピンポイントで活用する商品だと思います。
(それがうまくいくかは別問題ですが……)
<追記>2011/11/13
読者のかたから「国際のETF VIX中期先物指数」にはここで記載されている信託報酬以外のコストがかかるので「iPath® VIX中期先物指数連動」(2029)の方が低コストである旨のご指摘がありました。
調べてみると、信託報酬年率0.378%以内に加えて、指数連動有価証券の保有にかかる費用として年率0.6%程度がかかるようです(出典:国際投信のプレスリリース)。
いずれの費用も変動するので合計額を記載できないと書かれていますが、無理やり単純合計すると年率0.978%程度になり、たしかに2029の方が低コストになる可能性が高いです。ご指摘ありがとうございました。
<追記おわり>
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