日本は10年後もデフレだと市場が推測している!?

水瀬ケンイチ

日本は長らくデフレが続いていますが、いったいいつまでデフレが続くのでしょうか?

将来のことは誰にも分かりませんが、市場自体が将来をどう推測しているかを客観的に把握することはできます。そのひとつが、「ブレーク・イーブン・インフレ率」です。

「ブレーク・イーブン・インフレ率とは、同年限の物価連動債と名目金利債券に投資する際、両者の利回りが等しくなる(break even)ようなインフレ率を指します。また、名目利回り、実質利回りはともに市場で取引されるそれぞれの債券価格によって決まるため、ブレーク・イーブン・インフレ率は、物価連動債の実質価格に市場が織り込んでいる期待インフレ率にほぼ等しいと考えることができます」(PIMCO Bond Basicsより)

要するに、日本の場合、10年債の利回りから10年物価連動債の利回りを引くことで、ブレーク・イーブン・インフレ率、つまり10年後の期待インフレ率が計算できるというわけです。
暇な時にたまに見たりしています。

2年くらい前にもブログ記事を書きましたが(該当記事)、最近のデータを見てみると、こんな感じになっています。


ブレイク・イーブン・インフレ率
日本相互証券WEBサイトより引用)

一番下の赤っぽい線が、ブレーク・イーブン・インフレ率です。
残念ながら、ずっとマイナスのままです。
つまり、日本の債券市場は10年後もデフレだと推測しているということになります。

オーソドックスな経済学によると、デフレは株式にマイナスです。
唯一救いなのは、リーマンショックがあった2008年よりは、マイナス幅が縮小してきていることでしょうか。

でもまぁ、これは現在の市場データから計算できるひとつの指標に過ぎません。
市場の期待インフレ率が、そのまま現実になるとは限りませんし、インフレになったからといって経済学のセオリーどおりに必ず株高になるとも限りません。「デフレ下の株高」という現象も過去にありました。

個人的には、ブレーク・イーブン・インフレ率は、「ふーん」くらいに思って、日本株式に対しても積み立て投資を続けています(資産配分は低いですが)。
せいぜい、取材などで「将来、日本はインフレ・デフレどちらになると思う?」とか聞かれた時に、「私には分かりませんが、市場はデフレになると推測しているようです」とうまく人のせいにしながらもっともらしい意見を述べることにでも使えたら、まずまずという程度のものだと思っています。

なにはともあれ、現在、日本は10年後もデフレだと市場は推測しています。
しつこいようですが、推測しているのは私じゃないですからね(笑)

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Posted by水瀬ケンイチ