毎月分配型投信の分配金の82%が、単に自分のお金の払い戻しという茶番
水瀬ケンイチ
毎月分配型投信をめぐる推進派と反対派の論争が長らく続いて来ました。
それぞれの主な主張は、推進派は「増やしながら取り崩すニーズに合っている」、反対派は「分配金が出ると複利効果が減り効率的ではない」というものです。
両者の主張はかみ合うことがなく、いきおい感情的な言い争いに発展するケースもしばしばありました。
感情や考え方とは関係ない「事実」として、すべての投信の分配金は、純資産を削って支払われます。当然、分配金を支払った後は、その分投信の基準価額は下がります。
分配金は、儲けた利益から支払われるとは限りません。利益がないのに分配しようとすると、投資家の元本を払い戻すしかなくなります。
利益の範囲で払われる分配金を「普通分配金」と呼びます。
これに対して、元本を取り崩して払われる分配金を、以前は「特別分配金」と呼んでいましたが、「特別」というネーミングがなんとなくスペシャルな語感があり投資家の誤解を招くとして、「元本払戻金」という身も蓋もない言い方に、現在は変わっています。
この元本払戻金について、驚くべきデータを見つけました。
本日の日経電子版のマネーコラム「いつかは経済自由人!」によると、毎月分配型投信について、2012年3月末まで過去5年間の分配金の内訳(2007年3月末に買ったと仮定)を調べたところ、なんと、分配金の82%が元本払戻金だったそうです。
それぞれの主な主張は、推進派は「増やしながら取り崩すニーズに合っている」、反対派は「分配金が出ると複利効果が減り効率的ではない」というものです。
両者の主張はかみ合うことがなく、いきおい感情的な言い争いに発展するケースもしばしばありました。
感情や考え方とは関係ない「事実」として、すべての投信の分配金は、純資産を削って支払われます。当然、分配金を支払った後は、その分投信の基準価額は下がります。
分配金は、儲けた利益から支払われるとは限りません。利益がないのに分配しようとすると、投資家の元本を払い戻すしかなくなります。
利益の範囲で払われる分配金を「普通分配金」と呼びます。
これに対して、元本を取り崩して払われる分配金を、以前は「特別分配金」と呼んでいましたが、「特別」というネーミングがなんとなくスペシャルな語感があり投資家の誤解を招くとして、「元本払戻金」という身も蓋もない言い方に、現在は変わっています。
この元本払戻金について、驚くべきデータを見つけました。
本日の日経電子版のマネーコラム「いつかは経済自由人!」によると、毎月分配型投信について、2012年3月末まで過去5年間の分配金の内訳(2007年3月末に買ったと仮定)を調べたところ、なんと、分配金の82%が元本払戻金だったそうです。
( ^ω^)・・・
多くの投資家が喜んでもらっていた毎月の分配金の8割は、単に自分が投資した元本がそのまま戻ってきただけという茶番です。
言うまでもなく、投信のパフォーマンスは分配金だけでなく、基準価額の変動と合計した「トータルリターン」で評価するものです。
いくら「分配金利回りランキング」で上位にいても、その分、基準価額が下がっていたら何の意味もないのです。
私は数年来、「毎月分配型ファンドは資産形成層には向かない」と主張してきました。
それと同時に、(毎月分配型の熱烈なファンに配慮して)高齢者など定期的にファンドを取り崩す目的ならアリかもしれませんとも言ってきました。
しかしそれも、証券会社による「投信自動売却サービス」の登場により、意義を失いました。
投信自動売却サービスがあれば、わざわざ高いコストを払って毎月分配型ファンドを選ぶ理由がなくなります。
取り崩し開始の時期と金額を、運用会社ではなく自分で決めることができるからです。
低コストで分配金がなるべく出ないファンドで(複利効果を存分に享受して)資産形成を行ない、いざ自分が取り崩す時期になったら投信自動売却サービスに申し込み、以降は自動で定期的に取り崩すという、効率的な運用が可能になります。
<該当記事>
2012/04/18 投信自動売却サービスがあれば、毎月分配型ファンドはもう不要
高齢者を中心として、みんなが喜んでいた毎月分配型投信の分配金の8割は、元々自分のお金の取り崩しだったという現実。
それから、定期的に収入がほしいというニーズに対しては、「投信自動売却サービス」で対応可能になったという時代の変化。
このふたつのことから、よほど特殊な事情を抱えているかたを除いた大多数の一般投資家(若年層から高齢者まで含め)にとって、毎月分配型ファンドはもはや不要であるという結論になります。
新聞や雑誌の「投信分配金利回りランキング」を目を輝かせて見ている皆さん、もういい加減目を覚ます時に来ていますよ。
多くの投資家が喜んでもらっていた毎月の分配金の8割は、単に自分が投資した元本がそのまま戻ってきただけという茶番です。
言うまでもなく、投信のパフォーマンスは分配金だけでなく、基準価額の変動と合計した「トータルリターン」で評価するものです。
いくら「分配金利回りランキング」で上位にいても、その分、基準価額が下がっていたら何の意味もないのです。
私は数年来、「毎月分配型ファンドは資産形成層には向かない」と主張してきました。
それと同時に、(毎月分配型の熱烈なファンに配慮して)高齢者など定期的にファンドを取り崩す目的ならアリかもしれませんとも言ってきました。
しかしそれも、証券会社による「投信自動売却サービス」の登場により、意義を失いました。
投信自動売却サービスがあれば、わざわざ高いコストを払って毎月分配型ファンドを選ぶ理由がなくなります。
取り崩し開始の時期と金額を、運用会社ではなく自分で決めることができるからです。
低コストで分配金がなるべく出ないファンドで(複利効果を存分に享受して)資産形成を行ない、いざ自分が取り崩す時期になったら投信自動売却サービスに申し込み、以降は自動で定期的に取り崩すという、効率的な運用が可能になります。
<該当記事>
2012/04/18 投信自動売却サービスがあれば、毎月分配型ファンドはもう不要
高齢者を中心として、みんなが喜んでいた毎月分配型投信の分配金の8割は、元々自分のお金の取り崩しだったという現実。
それから、定期的に収入がほしいというニーズに対しては、「投信自動売却サービス」で対応可能になったという時代の変化。
このふたつのことから、よほど特殊な事情を抱えているかたを除いた大多数の一般投資家(若年層から高齢者まで含め)にとって、毎月分配型ファンドはもはや不要であるという結論になります。
新聞や雑誌の「投信分配金利回りランキング」を目を輝かせて見ている皆さん、もういい加減目を覚ます時に来ていますよ。
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