<追記あり> 【悲報】マネックスの海外ETF派は年間6,300円取られる仕様に改悪
水瀬ケンイチ
マネックス証券の海外ETF派に悲しいお知らせです。
先日、マネックス証券が米国株式取引サービスの全面リニューアルを発表し、米国株式の売買手数料が25.2ドルから14.7ドル~に値下げされると書きました(該当記事)。それは正しいのですが、「米国株スペシャルサイト」なるサイトが立ち上がり(当時私が気づかなかっただけかもしれませんが…)、それをご覧になった読者のかたから、「これは改悪では?」というご指摘を受けました。
よく見ると、スペシャルサイトの「ご注意事項」ページにはこう書かれています。
要約すると、「個人投資家が米国株取引をするためには、11月28日以降は一律、月額525円(=年間6,300円)かかるようになる」ということです。
2013年2月28日まではキャンペーンで無料と言っていますが、逆に言えば、キャンペーンが終わればそれ以降は月額525円(=年間6,300円)かかるということです。しかも、法人や一定の条件を満たす個人は、月額17,850円(=年間214,200円)です。
マネックスの初めての発表時にも、有料株価情報があり、それがキャンペーンで無料化される旨は見たような気がします。ただ、自分は有料情報など使わないから関係ないやと思っていました。しかしながら、実際にはすべての米国株取引ユーザーが有料株価情報の利用を強制されるとのことです。
これは、既にマネックス証券で海外ETFを保有している個人投資家にも11月28日以降適用になりますので、「今までかからなかった費用が新たに追加される改悪」と言わざるを得ないと思います。
私は昔からのマネックス証券のユーザーでもありますし、「マネックスがそんなアホなことをするはずがない」との思いもあり、念のため、コールセンターにも問い合わせましたが、「キャンペーン終了後は有料になります」と明言されました。
私に情報提供してくれた読者さんは、マネックス証券でVTを購入していたが、リアルタイム株価サービスのために年間6,300円も払う価値がないと判断し、楽天証券に乗り換えると仰っていました。
なお、年間6,300円というのは、たとえば100万円分の海外ETFに投資していた場合、年率0.63%の信託報酬値上げと同じコストアップ効果になります。私が投資している海外ETFの信託報酬は年率0.1%~0.3%程度です。これでは、せっかくの海外ETFの超低コストが台無しです。
もちろん、年間6,300円は定額なので、投資額を1,000万円にすれば年率0.063%になるし、投資額1億円なら年率0.0063%に過ぎません。人によっては影響は軽微であるかもしれません。また、米国株式を頻繁に売買する投資家は、売買手数料の値下げのメリットの方が大きい場合もあるでしょう。
しかしながら、たとえば私のように、1~2年に一度インデックスファンドからのリレー投資で海外ETFを購入するだけという海外ETF派インデックス投資家は、まったく割に合いません。同じ海外ETFをバイ&ホールドしていて、かたや楽天証券やSBI証券ではかからないコストが、マネックス証券ではかかるというのは、マネックス証券の大きなデメリットとなりえます。
今のままでは、マネックス証券で海外ETF投資をするのは、合理的ではないと考えています。今後、制度が見直され、リアルタイム株価サービス利用料の無料化(あるいは条件付き無料化)などが行われない限り、この状況は変わらないと思われます。
個人的に、楽天証券からマネックス証券へと海外ETFの運用場所を変えることも検討していましたが、その算段はみごとに砕けました。情報提供してくれた読者さんのように、今マネックス証券で海外ETF投資をされている投資家も、逃げていってしまうかもしれません。
マネックス証券さん……早期に制度見直ししないとヤバいんじゃないでしょうか?
<まとめ>
・マネックス証券は11月28日の米国株取引リニューアルによって、取引ごとの売買手数料は大幅値下げされるが、全ユーザーがリアルタイム株価サービス利用料年間6,300円か214,200円を払わなければいけなくなる。
・利用料無料キャンペーンが始まるが2013年2月28日で終了し、その後は年間6,300円か214,200円が課金される。
・課金を回避する手段は今のところない。
<追記> 2012/11/21 13:00
マネックス証券から直接連絡が入り、以下の説明がありました。
・現在公式サイトに掲載されている情報を見るとそのような理解になるのはやむを得ない
・全ユーザーがリアルタイム株価サービスに加入しなければならないのも事実
・無料キャンペーン終了(2013年2月28日)後、有料化され月額525円(=年間6,300円)課金するのも事実
ただし、
・あくまで予定ではあるが、無料キャンペーン終了後、有料のリアルタイム株価サービスを継続するか、今までどおり無料の20分ディレイの株価サービスに戻すかをユーザーが選択できるようにシステム対応する予定
とのこと。そのようなことは、公式サイトのどこにも書かれておらず、どうも都合がよすぎる印象をいだいてしまったので、
「なぜ、無料キャンペーン終了後、無料 or 有料の株価サービスを選択できるようになる予定であることを公表しないのでしょうか?」
と質問したところ、
「現時点でシステム対応ができていないため掲載しなかったが、情報の出し方が悪かったと反省している」
との回答でした。ブログ本文にも書いたとおり、コールセンターでも無料キャンペーン終了後の対応を確認した旨を伝えると、
「コールセンターとの連携不足で、その情報が伝わっていなかった」
との回答でした。
本当に単なる情報の出し方の問題だったのか、ネット上の騒ぎで急遽方向転換したのか、釈然としない感じではありますが、もし、この予定が実現すれば、「悲報」ではなく「朗報」に戻ります。
とはいえ、これは個別の電話説明です。誰もが確認できる公式サイト等での公表を待ちたいと思います。
先日、マネックス証券が米国株式取引サービスの全面リニューアルを発表し、米国株式の売買手数料が25.2ドルから14.7ドル~に値下げされると書きました(該当記事)。それは正しいのですが、「米国株スペシャルサイト」なるサイトが立ち上がり(当時私が気づかなかっただけかもしれませんが…)、それをご覧になった読者のかたから、「これは改悪では?」というご指摘を受けました。
よく見ると、スペシャルサイトの「ご注意事項」ページにはこう書かれています。
リアルタイム株価情報の提供に伴う課金について
(1)リアルタイム株価情報サービス
新米国株取引サービスでは、株価などのリアルタイムデータの提供を行います。
サービスの利用にあたり、下記の料金が発生します。
・ プロフェッショナル 税込17,850円/月
・ ノン・プロフェッショナル 税込525円/月
(本サービスの利用をお取引の前提としてご提供させていただきます。)
※ プロフェッショナル:法人のお客さま、および一定の条件を満たす個人のお客さま。
利用者自身の個人投資目的ではないか、あらゆる事業目的もしくは他人にあらゆる形態の助言を行う目的を有する自然人以外を指します。
※ ノン・プロフェッショナル:上記「プロフェッショナル」に該当しないすべてのお客さま。
全面リニューアルを記念して、2012年11月28日(水)~2013年2月28日(木)(現地時間)までキャンペーンを行う予定です。
期間中は利用料金をいただきません。
要約すると、「個人投資家が米国株取引をするためには、11月28日以降は一律、月額525円(=年間6,300円)かかるようになる」ということです。
2013年2月28日まではキャンペーンで無料と言っていますが、逆に言えば、キャンペーンが終わればそれ以降は月額525円(=年間6,300円)かかるということです。しかも、法人や一定の条件を満たす個人は、月額17,850円(=年間214,200円)です。
マネックスの初めての発表時にも、有料株価情報があり、それがキャンペーンで無料化される旨は見たような気がします。ただ、自分は有料情報など使わないから関係ないやと思っていました。しかしながら、実際にはすべての米国株取引ユーザーが有料株価情報の利用を強制されるとのことです。
これは、既にマネックス証券で海外ETFを保有している個人投資家にも11月28日以降適用になりますので、「今までかからなかった費用が新たに追加される改悪」と言わざるを得ないと思います。
私は昔からのマネックス証券のユーザーでもありますし、「マネックスがそんなアホなことをするはずがない」との思いもあり、念のため、コールセンターにも問い合わせましたが、「キャンペーン終了後は有料になります」と明言されました。
私に情報提供してくれた読者さんは、マネックス証券でVTを購入していたが、リアルタイム株価サービスのために年間6,300円も払う価値がないと判断し、楽天証券に乗り換えると仰っていました。
なお、年間6,300円というのは、たとえば100万円分の海外ETFに投資していた場合、年率0.63%の信託報酬値上げと同じコストアップ効果になります。私が投資している海外ETFの信託報酬は年率0.1%~0.3%程度です。これでは、せっかくの海外ETFの超低コストが台無しです。
もちろん、年間6,300円は定額なので、投資額を1,000万円にすれば年率0.063%になるし、投資額1億円なら年率0.0063%に過ぎません。人によっては影響は軽微であるかもしれません。また、米国株式を頻繁に売買する投資家は、売買手数料の値下げのメリットの方が大きい場合もあるでしょう。
しかしながら、たとえば私のように、1~2年に一度インデックスファンドからのリレー投資で海外ETFを購入するだけという海外ETF派インデックス投資家は、まったく割に合いません。同じ海外ETFをバイ&ホールドしていて、かたや楽天証券やSBI証券ではかからないコストが、マネックス証券ではかかるというのは、マネックス証券の大きなデメリットとなりえます。
今のままでは、マネックス証券で海外ETF投資をするのは、合理的ではないと考えています。今後、制度が見直され、リアルタイム株価サービス利用料の無料化(あるいは条件付き無料化)などが行われない限り、この状況は変わらないと思われます。
個人的に、楽天証券からマネックス証券へと海外ETFの運用場所を変えることも検討していましたが、その算段はみごとに砕けました。情報提供してくれた読者さんのように、今マネックス証券で海外ETF投資をされている投資家も、逃げていってしまうかもしれません。
マネックス証券さん……早期に制度見直ししないとヤバいんじゃないでしょうか?
<まとめ>
・マネックス証券は11月28日の米国株取引リニューアルによって、取引ごとの売買手数料は大幅値下げされるが、全ユーザーがリアルタイム株価サービス利用料年間6,300円か214,200円を払わなければいけなくなる。
・利用料無料キャンペーンが始まるが2013年2月28日で終了し、その後は年間6,300円か214,200円が課金される。
・課金を回避する手段は今のところない。
<追記> 2012/11/21 13:00
マネックス証券から直接連絡が入り、以下の説明がありました。
・現在公式サイトに掲載されている情報を見るとそのような理解になるのはやむを得ない
・全ユーザーがリアルタイム株価サービスに加入しなければならないのも事実
・無料キャンペーン終了(2013年2月28日)後、有料化され月額525円(=年間6,300円)課金するのも事実
ただし、
・あくまで予定ではあるが、無料キャンペーン終了後、有料のリアルタイム株価サービスを継続するか、今までどおり無料の20分ディレイの株価サービスに戻すかをユーザーが選択できるようにシステム対応する予定
とのこと。そのようなことは、公式サイトのどこにも書かれておらず、どうも都合がよすぎる印象をいだいてしまったので、
「なぜ、無料キャンペーン終了後、無料 or 有料の株価サービスを選択できるようになる予定であることを公表しないのでしょうか?」
と質問したところ、
「現時点でシステム対応ができていないため掲載しなかったが、情報の出し方が悪かったと反省している」
との回答でした。ブログ本文にも書いたとおり、コールセンターでも無料キャンペーン終了後の対応を確認した旨を伝えると、
「コールセンターとの連携不足で、その情報が伝わっていなかった」
との回答でした。
本当に単なる情報の出し方の問題だったのか、ネット上の騒ぎで急遽方向転換したのか、釈然としない感じではありますが、もし、この予定が実現すれば、「悲報」ではなく「朗報」に戻ります。
とはいえ、これは個別の電話説明です。誰もが確認できる公式サイト等での公表を待ちたいと思います。
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