中国H株のレバレッジ型・インバース型ETFが東証上場へ。でも長期保有してはいけないその理由とは
水瀬ケンイチ

東証は、ハンセン中国企業株レバレッジ指数、ハンセン中国企業株ショート指数に連動するETFを12月6日に上場予定と発表しました。(出所:東証WEBサイト)
商品概要は以下のとおり。
・中国H株ブル2倍上場投信(1572)
ハンセン中国企業株レバレッジ指数連動・信託報酬 年率0.8925%以内
・中国H株ベア上場投信(1573)
ハンセン中国企業株ショート指数連動・信託報酬 年率0.8925%以内
1572は、ハンセン中国企業株指数(H株指数)の前日比変動率の2倍となるように設計された、いわゆる「レバレッジ型ETF」です。1573は、同指数の前日比変動率のマイナス1倍となるように設計された、いわゆる「インバース型ETF」です。
中国株について相場観があるかたは、手軽かつ低コストに売買できる商品が出たのではないでしょうか。
ただし、レバレッジ型・インバース型ETFには注意点があります。いつもの話で恐縮ですが、大事なことなので何回でも取り上げます。それは……
・インデックスの2倍やマイナス1倍といった目標値を「日毎」に達成するように設計されているため、2日以上離れた2時点間の騰落率は目標値どおりにならない
・インデックスの値動きが上昇・下降を繰り返した場合に、マイナスの方向に差(ずれ)が生じる可能性が高くなり、期間が長くなれば長くなるほどその差(ずれ)が大きくなる傾向がある
ということです。これは、商品設計のミスではなく、レバレッジ型・インバース型ETF共通の性質であり、東証に掲載されているパンフレットにも書かれていますので、私たち投資家は知っておく必要があります。
データで確認してみましょう。既に今年4月に、日経平均を投資対象としたレバレッジ型・インバース型ETFが上場されましたので、その実績を見ることができます。

上場直後の4月から半年ちょっと経過、その間日経平均は騰落を繰り返し、現在の騰落率は -1.0%です。
レバレッジ型の騰落率は、2倍の -2.0%であってほしいところですが、実際は -3.0%と余計マイナスです。インバース型は逆に動くので +1.0%であってほしいところですが、実際は -1.8%とプラスどころかこちらもマイナスです。
こんなことなら日経平均のETF持ってじっとしてた方がまだマシだったじゃないか……という結果になっています。
つまり、レバレッジ型・インバース型ETFは、タイミングを図りピンポイントで利用する商品だということです。ゆえに、長期保有には向かないことと、ある程度相場観があるかたでないと使いこなせないことに、ご注意ください。
・インデックスの値動きが上昇・下降を繰り返した場合に、マイナスの方向に差(ずれ)が生じる可能性が高くなり、期間が長くなれば長くなるほどその差(ずれ)が大きくなる傾向がある
ということです。これは、商品設計のミスではなく、レバレッジ型・インバース型ETF共通の性質であり、東証に掲載されているパンフレットにも書かれていますので、私たち投資家は知っておく必要があります。
データで確認してみましょう。既に今年4月に、日経平均を投資対象としたレバレッジ型・インバース型ETFが上場されましたので、その実績を見ることができます。

上場直後の4月から半年ちょっと経過、その間日経平均は騰落を繰り返し、現在の騰落率は -1.0%です。
レバレッジ型の騰落率は、2倍の -2.0%であってほしいところですが、実際は -3.0%と余計マイナスです。インバース型は逆に動くので +1.0%であってほしいところですが、実際は -1.8%とプラスどころかこちらもマイナスです。
こんなことなら日経平均のETF持ってじっとしてた方がまだマシだったじゃないか……という結果になっています。
つまり、レバレッジ型・インバース型ETFは、タイミングを図りピンポイントで利用する商品だということです。ゆえに、長期保有には向かないことと、ある程度相場観があるかたでないと使いこなせないことに、ご注意ください。
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