「世界一やさしい金融工学の本」(田渕直也著)でインデックス投資との「よい付き合いかた」を学ぶ

水瀬ケンイチ

「世界一やさしい金融工学の本」(田渕直也著)を読みました。

世界一やさしい金融工学の本です世界一やさしい金融工学の本です
田渕 直也 トレンドプロ

日本実業出版社 2006-03-24
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これにはびっくりしました。金融工学についてこんなにわかりやすい本があったとは!
2006年発売の本なので、もっとはやく読みたかったと心から思います。

ここ1か月くらい、日経平均が1日で600円上がったり1000円下がったりと荒れ気味のようです。インデックス投資家の方々でも、この振れ幅に「ヘッジした方がいいの!?でもどうやるの!?」などと混乱してしまっているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

この本は、こういう時にこそもう一度、リスクとは何か、ランダムウォークの性質はどういうものか、スワップ・オプションとは何か、ブラック=ショールズ・モデルとは何か、バリュー・アット・リスク(VaR)とその限界など、金融工学の基礎を確認するのにもってこいの内容だと思いました。しかも、マンガを交えて超わかりやすい。

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こんな感じ。

マンガと馬鹿にするなかれ、この本の著者田渕直也氏は、私が昔読んで「金融工学ってこういう話だったのか!」と初めて知った「図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて」の著者です。やわらか風味なマンガや図解には、しっかりとしたロジックが根底に流れています。難しいことを簡単に説明できる人が、本当にデキる人なのだと思います。

ただし、これは「金融工学の本」であり、「インデックス投資の本」ではありません。インデックス投資の基礎となる「理論」について、一歩突っ込んで知りたいというかた向けの本です。

理解するのはちょっと大変かもしれませんが、こういう堅めの知識(本書の表現はやわらかいですが)を知っていれば、インデックス投資に対して、過剰期待も過小評価もしない「よい付き合いかた」ができるようになると思います。

インデックス投資家で、「思考停止」と言われて反論できず悔しい思いをしたことがあるかたや、「昨日の株価上昇の理由は○○、今日の株価下落の理由は△△」といった日々のマーケット情報に「その理由は本当なの?」と疑問を抱いたことがあるかたにおすすめです。
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Posted by水瀬ケンイチ