外国株式インデックスファンド放浪記(その6)
水瀬ケンイチ
前回の記事の続きです。このシリーズも、今回で最後です。
さて、僕はまた、新たな外国株インデックスファンドを探さなくてはならなくなったわけです。
モーニングスターなどを使って調べれば、候補の目星はすぐにつきました。
その頃の候補として、「海外株式インデックス(パレット)」「BGI外国株式INDEX」「ステート・ストリート外国株式インデックス」「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」などがありました。
しかし、いくら選んでも、また継続できなくなる目に遭うのではないか。ごくごく基本的商品であるはずのインデックスファンドで何故こんなに苦労するのだろうか。という思いがどうしても頭に浮かんできます。
そこで、商品選択の前に、僕は一度立ち止まって考えることにしました。
(1)選んだ金融機関が悪かったのだろうか?
(2)ファンドの選択方法が悪かったのだろうか?
(3)それとも何か他に原因があるのだろうか?
(1)について。僕が選んだ金融機関がたまたま悪かったのでしょうか。
大和証券の投資信託運用会社の投信直接販売は、事業廃止になりました。野村證券の投資信託専門会社は、会社そのものが廃業になりました。
両社とも、日本の証券業界を代表する大手証券会社のグループ会社でした。大手なら全てにおいて良いとは思いませんが、「事業の存続」という根本的問題を考える際に、これ以上の信用がおける要因を探すのは難しいのではないでしょうか。
では、ネット証券なら安全だったか。ネット証券最大手のEトレード証券でも、世界の主要インデックスをカバーする「プルメリカ・グローバル・インベストメント・マトリックス・シリーズ」というインデックスファンドシリーズを2000年に発売開始していますが、今はもうありません。
(2)について。僕のファンドの選択方法が悪かったのでしょうか。
僕はインデックスファンドを、主に「コスト」で選びました。
インデックスファンドは、指数に連動することを目指した運用をするファンドですから、優劣を決める要因はそう多くありません。
指数との乖離(トラッキングエラー)の多寡もあるとは思いますが、そんなに大きく外してしまうインデックスファンドはあまり見たことがありません。
資産総額の多寡というのも、要因としてあるかもしれません。しかし、これを重視しても、ファンドの途中償還は防げても、取り扱い廃止は防げません。
一般的には、インデックスファンドの優劣を決める圧倒的要因はコストと言われています。各種投資本にもそう書いてあります。
販売手数料、信託報酬、信託財産留保額等のコストを重視し、インデックスファンドを選ぶ。この選択方法が間違っていたとは思えません。
(3)について。それでは、何か他に原因があるのでしょうか。
他にと言っても皆目見当がつかないので、基本に立ち返って、インデックスファンドそのものの歴史について、本やネットで調べてみました。
インデックスファンドは、「ウォール街のランダム・ウォーカー」著者のバートン・マルキール等の提唱により、1975年に米国バンガード社で誕生しました。(出典:Vanguard INVESTMENTS JAPAN)以来、多様な指数に連動するインデックスファンドが誕生している。
日本では、米国に遅れること10年、1985年にインデックスファンドが誕生しました。また、2001年に国内初の株価指数連動上場投資信託(ETF)が東証と大証に上場しました。(出典:投信資料館)
しかし、ずっと日経平均やTOPIXといった国内株式のインデックスファンドが中心でした。一方、国内債券、外国株式、外国債券のインデックスファンドの設定は比較的新しく、日本国内において確定拠出年金制度が導入された2001年以降に活発化してきました。(出典:STANDARD&POOR'S)
さて、僕はまた、新たな外国株インデックスファンドを探さなくてはならなくなったわけです。
モーニングスターなどを使って調べれば、候補の目星はすぐにつきました。
その頃の候補として、「海外株式インデックス(パレット)」「BGI外国株式INDEX」「ステート・ストリート外国株式インデックス」「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」などがありました。
しかし、いくら選んでも、また継続できなくなる目に遭うのではないか。ごくごく基本的商品であるはずのインデックスファンドで何故こんなに苦労するのだろうか。という思いがどうしても頭に浮かんできます。
そこで、商品選択の前に、僕は一度立ち止まって考えることにしました。
(1)選んだ金融機関が悪かったのだろうか?
(2)ファンドの選択方法が悪かったのだろうか?
(3)それとも何か他に原因があるのだろうか?
(1)について。僕が選んだ金融機関がたまたま悪かったのでしょうか。
大和証券の投資信託運用会社の投信直接販売は、事業廃止になりました。野村證券の投資信託専門会社は、会社そのものが廃業になりました。
両社とも、日本の証券業界を代表する大手証券会社のグループ会社でした。大手なら全てにおいて良いとは思いませんが、「事業の存続」という根本的問題を考える際に、これ以上の信用がおける要因を探すのは難しいのではないでしょうか。
では、ネット証券なら安全だったか。ネット証券最大手のEトレード証券でも、世界の主要インデックスをカバーする「プルメリカ・グローバル・インベストメント・マトリックス・シリーズ」というインデックスファンドシリーズを2000年に発売開始していますが、今はもうありません。
(2)について。僕のファンドの選択方法が悪かったのでしょうか。
僕はインデックスファンドを、主に「コスト」で選びました。
インデックスファンドは、指数に連動することを目指した運用をするファンドですから、優劣を決める要因はそう多くありません。
指数との乖離(トラッキングエラー)の多寡もあるとは思いますが、そんなに大きく外してしまうインデックスファンドはあまり見たことがありません。
資産総額の多寡というのも、要因としてあるかもしれません。しかし、これを重視しても、ファンドの途中償還は防げても、取り扱い廃止は防げません。
一般的には、インデックスファンドの優劣を決める圧倒的要因はコストと言われています。各種投資本にもそう書いてあります。
販売手数料、信託報酬、信託財産留保額等のコストを重視し、インデックスファンドを選ぶ。この選択方法が間違っていたとは思えません。
(3)について。それでは、何か他に原因があるのでしょうか。
他にと言っても皆目見当がつかないので、基本に立ち返って、インデックスファンドそのものの歴史について、本やネットで調べてみました。
インデックスファンドは、「ウォール街のランダム・ウォーカー」著者のバートン・マルキール等の提唱により、1975年に米国バンガード社で誕生しました。(出典:Vanguard INVESTMENTS JAPAN)以来、多様な指数に連動するインデックスファンドが誕生している。
日本では、米国に遅れること10年、1985年にインデックスファンドが誕生しました。また、2001年に国内初の株価指数連動上場投資信託(ETF)が東証と大証に上場しました。(出典:投信資料館)
しかし、ずっと日経平均やTOPIXといった国内株式のインデックスファンドが中心でした。一方、国内債券、外国株式、外国債券のインデックスファンドの設定は比較的新しく、日本国内において確定拠出年金制度が導入された2001年以降に活発化してきました。(出典:STANDARD&POOR'S)
なるほど。ここで合点がいきました。
僕が途方に暮れていた2003年当時、外国株式インデックスファンドには、まともに設定されるようになってから、まだ2年程度の歴史しかなかったのです。つまり、こう言えると考えました。
日本における外国株式インデックスファンドは未だ発展途上の赤ん坊である。
そう考えると、大手・中小に関係なく、新たなインデックスファンドやその販売方法が、次から次へと出てきては消えていったりするのも理解できます。
なんたって、赤ん坊なのですから。赤ん坊はトライ&エラーでいろいろな事をやったりやめたりしながら、大きくなっていくものです。ある程度分別がつくようになるまでは、しばらくそれが続くでしょう。
そこで、僕の外国株式インデックスファンドへの態度が決まりました。
・日本においては、どんなに吟味・厳選しても、外国株式インデックスファンドの途中償還・金融機関の取り扱い廃止は、今後も起こり得る。
・一生安定的に付き合える外国株式インデックスファンドを選べるという考えを捨て、その時々で最も低コストのものを選んで淡々と投資する。
・途中償還・金融機関の取り扱い廃止があっても、感情を殺して、積み立て商品を素早く切り替える(極力ファンド売却はしない)。
・しかしながら、途中償還・金融機関の取り扱い廃止時は、その都度、利用者としてしっかりと不満の声を表明し、外国株式インデックスファンドの発展に繋げる一助とする。(本ブログ記事もその一環)
というわけで、2003年当時、最も低コストと考えられた、「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」で、外国株式インデックス投資を再開しました。
以来、このファンドは期待どおりのリターンを上げてくれています。
このファンドへの投資にも色々と課題はあるものの、2006年の現在も継続できているのが何よりであり、満足しております。
しかしながら、このファンドもずっと投資を継続できる保証はありません。
また、投資信託市場のウォッチを続け、より低コストの外国株式インデックスファンドが出てきた場合には、新規投資分を切り替えるつもりです。
そうこうしている間に、有力候補のひとつであった「BGI外国株式INDEX」は2004年に途中償還し、「海外株式インデックス(パレット)」は、いつからか知りませんが既に新規販売停止になってしまっていることを付け加えさせていただきます。
僕の外国株式インデックスファンド放浪記は、まだまだ続きそうであります。
(終わり)
P.S
シリーズ記事の中で、何度か「日本において」と前置きしているのは、外国の証券会社に口座開設をして、外国の良質なインデックスファンド・ETFに投資するという方法があるからです。これについては、また別の機会に書きたいと思います。
僕が途方に暮れていた2003年当時、外国株式インデックスファンドには、まともに設定されるようになってから、まだ2年程度の歴史しかなかったのです。つまり、こう言えると考えました。
日本における外国株式インデックスファンドは未だ発展途上の赤ん坊である。
そう考えると、大手・中小に関係なく、新たなインデックスファンドやその販売方法が、次から次へと出てきては消えていったりするのも理解できます。
なんたって、赤ん坊なのですから。赤ん坊はトライ&エラーでいろいろな事をやったりやめたりしながら、大きくなっていくものです。ある程度分別がつくようになるまでは、しばらくそれが続くでしょう。
そこで、僕の外国株式インデックスファンドへの態度が決まりました。
・日本においては、どんなに吟味・厳選しても、外国株式インデックスファンドの途中償還・金融機関の取り扱い廃止は、今後も起こり得る。
・一生安定的に付き合える外国株式インデックスファンドを選べるという考えを捨て、その時々で最も低コストのものを選んで淡々と投資する。
・途中償還・金融機関の取り扱い廃止があっても、感情を殺して、積み立て商品を素早く切り替える(極力ファンド売却はしない)。
・しかしながら、途中償還・金融機関の取り扱い廃止時は、その都度、利用者としてしっかりと不満の声を表明し、外国株式インデックスファンドの発展に繋げる一助とする。(本ブログ記事もその一環)
というわけで、2003年当時、最も低コストと考えられた、「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」で、外国株式インデックス投資を再開しました。
以来、このファンドは期待どおりのリターンを上げてくれています。
このファンドへの投資にも色々と課題はあるものの、2006年の現在も継続できているのが何よりであり、満足しております。
しかしながら、このファンドもずっと投資を継続できる保証はありません。
また、投資信託市場のウォッチを続け、より低コストの外国株式インデックスファンドが出てきた場合には、新規投資分を切り替えるつもりです。
そうこうしている間に、有力候補のひとつであった「BGI外国株式INDEX」は2004年に途中償還し、「海外株式インデックス(パレット)」は、いつからか知りませんが既に新規販売停止になってしまっていることを付け加えさせていただきます。
僕の外国株式インデックスファンド放浪記は、まだまだ続きそうであります。
(終わり)
P.S
シリーズ記事の中で、何度か「日本において」と前置きしているのは、外国の証券会社に口座開設をして、外国の良質なインデックスファンド・ETFに投資するという方法があるからです。これについては、また別の機会に書きたいと思います。
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