投信事業は個人投資家にとって人生のインフラ事業

水瀬ケンイチ

私がインデックス投資を志した10年くらい前は、インデックスファンドというもの自体がマイナーでした。

というのも、日経225とTOPIXばかりで、他の資産クラスのインデックスファンドはあまりなく、あっても信託報酬が高いものとかノーロードではないものとかでした。

ようやく許容範囲のインデックスファンドを見つけても、あっさり繰上償還されてしまったり、販売会社が取り扱いを廃止してしまったりで、個人投資家は継続的に運用を続けられない状態でした。
(そんな状況が、このブログを書き始めるきっかけのひとつでもあったのですが)
かつて、投信スーパーセンターという投信販売サイトがありました。全体的に販売手数料が低めであったり、低コストインデックスファンドの「年金積立」シリーズがネットでほぼ唯一買えたりして、人気がありました。

投信スーパーセンターについて、社長さんとコミュニケーションを取ったりする機会に恵まれたりしながら、期待と不安をブログに書いたりしていましたが、残念ながら、事業廃止になってしまいました。

投信事業は、個人投資家の人生をも左右する、言わば「人生のインフラ事業」です。他の分野にも増して、事業の継続性が重要視されるべきだと考えています。

そんなことを書いた記事をカン・チュンド氏が取り上げてくれました。

カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!
2013/12/25 水瀬ケンイチさんの言葉 『人生のインフラ事業』

カン氏はファイナンシャル・プランナーであり、投信の運用や販売をされているわけではないにもかかわらず、個人投資家の人生のインフラ事業に携わるという覚悟を持とうとされています。

NISA開始を前に、毎月100本を越える新規投信がボコボコ設定されていますが、個人投資家の人生のインフラになるという覚悟をもって作られているものが、いったいいくつあるのでしょうか。

目新しさで最初だけ営業が行われ、あとは毎年純資産が減り続け、運用成績も鳴かず飛ばずのまま流される、という投信の本数が更に積み上がらないことを祈ります。
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Posted by水瀬ケンイチ