2013年梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー的、3大ニュース
水瀬ケンイチ

今日は大晦日、紅白など見ながら今年を振り返っています。
今年もいろいろなことがありましたが、梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー的3大ニュースを簡単にまとめておきたいと思います。
(1) 得なのか?損なのか?NISA狂想曲
少額投資非課税制度のNISA。概要は早々に発表されましたが、投資家にとって得なだけでなく、場合によっては損になるケースもあったことから、混乱が広がりました。
詳しく調べようと各金融機関に質問するも「未定、未定」のオンパレードです。一方で、NISA口座を開設した金融機関は原則4年間は変更できないという仕様から、金融業界ではフライングで「サービスの詳細は未定だが、口座開設はぜひうちで!」というよくわからない口座獲得競争になり、個人投資家たちは大いに混乱しました。
証券優遇税制終了を受けてのクロス取引をやるべきか否かとあわせて、当ブログでは12月になってようやく、どうするべきか一定の結論を出すことができました。しかし、インデックス投資仲間のなかには、口座開設を来年に見送るかたもいらっしゃるようです。今年のような相場好調時に、インデックス投資家が普段やらない「期間限定のニューマネー」を投下するのもちょっと微妙な気もします。
結局、NISAの制度とは関係なく、そもそもの自分の運用方針に則って、活用できる部分だけNISAを活用するという割り切りが必要かと思います。皆さんは、どうされましたか?
<関連記事>
2013/12/15 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー流「NISAの考え方のキモ」
2013/11/09 証券優遇税制終了前のクロス取引は、将来資産が2.25倍以上にはならないと考える人だけがやるもの
(2) ついに、マネックス証券がネット証券初の米国ETF特定口座対応
海外ETFは、超・低コストで世界中のインデックスに投資できるという大きなメリットがある一方、税務処理を自分でやらなければならず、手間がかかるというデメリットがありました。特定口座であれば、その手間を大幅に省けるのですが、ネット証券では未対応でした。
私は米国ETFに投資する個人投資家として、数年来、ネット証券各社に特定口座対応してもらえるよう要望し続けてきました。やるやるという方向性のコメントはありましたが、なかなか実現しないでここまで来てしまいました。ようやく今年動きがありました。マネックス証券がついに対応してくれたのです。
楽天証券も対応を表明しており、海外ETFの投資環境が大きく前進した一年でした。
<関連記事>
2013/11/15 マネックス証券、ついに米国株の特定口座対応!これでやっと海外ETFの税務処理も楽ちんに
(3) インデックス投資セミナー講師に初挑戦
私水瀬は、ふつうの会社員であり、今までセミナー講師やDVD講師のご依頼は、すべてご遠慮申しあげてきました。ところが、公私ともにお世話になっている保険コンサルタントの後田亨氏が社会教育事業法人を立ち上げられ、「是非に」と頼まれ、呑んだくれ仲間(?)の精一杯の支援として、少人数制という条件でセミナー講師をお引き受けすることになりました。
やってみた結果、消耗しましたがとても充実感がありました。また、インデックス投資のまとまったコンテンツ(PowerPointで44ページ!)もできました。同時に、「ものを教える」人間としてのスキル不足を痛感させられました。セミナー講師はブログ執筆と同じというわけにはいきません。この分野も日々勉強です。
<関連記事>
2013/07/07 初めてセミナー講師をやってみた感想
以上、個人的な話が混じっていて恐縮でしたが、2013年梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー的3大ニュースでした。他にも、為替ヘッジ型やフロンティアマーケットに投資できるインデックスファンドの登場など、インデックス投資界隈では興味深いニュースがいくつもありました。皆さまの3大ニュースは何だったでしょうか。
2013年ももうすぐ終わろうとしています。今年も一年、ブログをご覧いただきありがとうございました。2014年も皆さまにとって良い年になるよう祈念しながら、筆を置こうと思います。
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