国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」(2014年1月末時点)、iShares銘柄はまだ要注意

水瀬ケンイチ

個人投資家の期待を集めながらも、基準価額と市場価格の乖離の大きさが課題と言われてきた国内ETF。

海外資産クラスの主要銘柄の乖離率を、2014年1月末時点でチェックしてみます。昨年7月から追加して半年経過したiシェアーズ3銘柄(iS先進国株・iSエマージング株・iSフロンティア株)がどうなったのかにも注目です。それでは、ご覧ください。

海外資産クラスの主要国内ETFの「市場価格と基準価額乖離率」(2014年1月末)

海外資産クラスの主要国内ETFの「市場価格と基準価額乖離率」(2014年1月末)

日興 上場MSCIコク株(1680) +0.56%
日興 上場MSCIエマ株(1681) -0.53%
MAXIS 海外株ETF (1550) +0.93%
iS先進国株 (1581) +1.03%
iSエマージング株(1582) +0.50%
iSフロンティア株(1583) +2.30%


iSharesの2銘柄(1581・1583)に要注意

先月、乖離率が急上昇した「iS先進国株」(1581)は少し落ち着いたものの、依然、+1.03%と割高(プレミアム状態)で、個人的な乖離許容範囲であるプラスマイナス1%に収まっていません。「iSフロンティア株」(1583)は先月から乖離が再び拡大して、+2.30%という大幅な割高(プレミアム)状態です。

購入時に割高に購入してしまうと、せっかくのETFの低信託報酬が台無しになってしまいかねません。

今まで主要な国内ETFをウォッチしてきた中で、上場後だいたい1年程度経過すると、概ねプラスマイナス1%以内に収まってきました(単なる経験則ですが)。iSharesの「iS先進国株 (1581)」「iSフロンティア株(1583)」は、今のところ乖離が落ち着いている「iSエマージング株(1582)」も含め、上場後まだ半年しか経過しておらず、これからも要注意だと思います。

個人投資家が安心して長期投資できるように、ETF市場は「買う時も売る時も適正価格」であってほしい。マーケットメイカー等の関係者におかれましては、がんばっていただきたいと思います。

なお、「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うが?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は以下の過去記事をご参照ください。

2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解


<ご参考>
上記の「MAXIS 海外株ETF」(1550)や「MAXIS トピックス上場投信」(1348)を売買するならカブコムがおすすめです。「フリーETF」対象でいくら売買しても売買手数料が無料なので。以下から口座開設できます(無料)
カブドットコム証券
関連記事




投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ