証券会社や銀行の窓口は、「販売のプロ」であって「アドバイスのプロ」ではない
水瀬ケンイチ

日経電子版に、初心者の投資家心理についての良記事が掲載されていたので、ブログで取りあげます。
日経電子版 投資賢者の心理学
2014/03/11 権威に弱い投資家心理 「金融機関=プロ」を疑え
詳しくは上記コラムを読んでいただきたいのですが、無理やりまとめると以下のとおり。
- 証券会社・銀行の窓口や外回り営業担当は、「販売のプロ」であって「運用のプロ」や「アドバイスのプロ」ではない
- 売り手と買い手の知識差が大きい場合は、行動経済学でいう「権威づけ効果」で、「大企業」「安心」「プロ集団」というイメージ戦略が奏功する
- 投資は自分で勉強し、分からない部分があればちゃんとお金を払ってプロのアドバイザーに聞くのが大原則
実にミもフタもありませんが、国内最強の営業力で、ろくでもない高コスト投信を個人に大量販売してきた「野村證券」の出身者が言うのだから、説得力があります。
著者の名誉のために申し上げておくと、大江氏は日本の確定拠出年金の投資教育(長期分散投資)やDCファンド低コスト化に尽力した、日本の確定拠出年金界の功労者です。だからこそ、このような自己批判的なコラムも書けるのだと、勝手に思料しております。
ただ、上記コラムが指摘するように、投資初心者が「よくわからないから」という理由で、証券会社・銀行の窓口や外回り営業担当者に「オススメ商品は?」と聞くのは、いわゆる「カモネギ」以外の何物でもないというのは事実だと思います。
投資は自分で勉強すること。その上で、わからないことがあれば、しかるべき対価を払ってプロのアドバイザーに聞く。これが大原則です。(間違っても、個人ブログに「あれも教えて、これも教えて、全部教えて」と何度もメールを送ることではありません)
証券会社出身の当事者が、勇気を持って教えてくれているのですから、耳を傾ける価値はあると思います。
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