企業型確定拠出年金(DC)の「会社掛け金と同額まで」という残念なルールが見直される?
水瀬ケンイチ

導入する企業が増えてきた確定拠出年金(DC)の残念なルールが、見直される可能性が出てきました。朗報の予感です。
確定拠出年金の掛け金、増額しやすく 社員に裁量
政府検討、企業年金改革の柱に
政府は企業年金の一種で、従業員が運用先を選ぶ確定拠出年金の制度を拡充する方針だ。労使で負担する掛け金(保険料)のうち従業員は5割までしか拠出できないルールを見直し、自由に拠出分を引き上げて将来受け取る年金も増やせるようにする。年金を受け取れるまでの期間を短くすることも検討する。少子高齢化で公的年金は将来的に支給額が減る見込み。公的年金に上乗せする企業年金の利用を後押しして、老後の備えを厚くする。
(日経電子版 2014/8/5より引用)
社員が任意で追加拠出できるマッチング拠出は、「拠出限度額まで」という条件に加え、「会社掛け金と同額まで」という条件もあります。
悲しいかな私も、最大限に拠出(会社掛け金と同額をマッチング拠出)しようとしても、会社掛け金自体が少ないので、拠出限度額まで拠出できない状況にあります。給料安くてスミマセン。
この「会社掛け金と同額まで」というケチくさい付加条件は、やめてほしいと考えています。これは、「企業年金は主たる拠出者は会社である」という考え方にもとづいているらしいのですが、個人的にはありがた迷惑です。
日経電子版の記事のとおり、「会社掛け金と同額まで」という条件が撤廃されれば、たいへんありがたいことです。自己責任の年金運用のリスク(失敗すれば自分の年金額が減る)を、税金面からサポートいただきたいと思います。
ただ、同記事によれば、財務省が「大幅な減税にならないように」と粘っているらしく、まだどうなるかはわかりません。
政府や関係省庁の皆さまにおかれましては、現役世代の年金給付水準をどんどん悪化させている現実を十二分に直視していただき、自己責任の年金運用にかかる負担を少しでも軽減していただければと考えております。
そこのところ、なにとぞ、よろしくお願いいたします。
<ご参考>
2014/06/15 確定拠出年金(DC)の掛け金上限引き上げ。非課税口座でより多く投資できると思ったら……
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