下げ相場で化けの皮が剥がれた人たち

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先週1週間、最近では大きめの相場の下げがありました。好調相場が続いていたここ1~2年くらいにインデックス投資(インデックスファンドを積み立てでバイ&ホールドするスタイル)を始めた初心者さんは、大きな値動きに耐えられず相当脱落するんだろうなぁと思っていました。

ところが、ブログやツイッターのコミュニティを見る限りでは、思いのほか脱落しておらず、しっかりと当初の投資方針を守っているようでした。「下げ相場がどういうものかを、いま経験できている」といった趣です。

もちろん、含み損を抱えていたら不安な気持ちもあるだろうと思うのですが、それをうまくリスク許容度の範囲内に収めてやりすごしているような感じです。これってけっこうすごいことだと思います。

むしろ、ベテランのインデックス投資家の方が、投資方針がブレたりしているように見えるほどでした。

普段、バイ&ホールドだの積み立てだの言っていた人が、もっともらしい理由をつけて「一時撤退」宣言したり、突然、レバレッジ・インバース型ETFで短期売買に精を出し始めたり、ブログのサブタイトルから「インデックス投資」の文字をそっと消してみたり、率直に言って、ベテランの割にはみっともないことこの上ないザマが散見されました。

まあ、これは投資方針がブレたというよりも、化けの皮が剥がれたと見るべきかもしれません。身近なインデックス投資コミュニティのなかにいても、もともと、インデックスファンドを積み立てでバイ&ホールドするスタイルではない投資家だったというわけです。

誤解してほしくないのは、私はどんな投資法でも、本人が自己責任のもと勝手にやる分には自由だと思っています。べつにインデックス投資のみが唯一の正しい投資法などでは決してありません。相場の懐は深いので、いろいろな方法でリターンをあげることができるものだと理解しています。

困るなぁと思うのは、ふだん言ってることと、やっていることが違う人たちです。

特に、相場下落の初動では、初心者が不安を抱きながらも、「さあ頑張ってホールドするぞ」と気合を入れるようなタイミングで、昨日までコミュニティで仲良くワイワイやってた仲間が、「もう全部売ってノーポジ。まだ持ってるの?」とやりだすわけです。初動の対応が真逆になり、これでは初心者の人たちが困惑してしまいます。

べつにどんな投資法をやっててもいいのですが、ブログ・ツイッター等のコミュニティで発言するからには、最初から違う投資法をしていると周りの人たちがわかるように言っておくれ、と思うわけです。

今後、短期的に相場が上げに転じるのか、更なる大きな下げが待っているのかはわかりません。将来の市場動向を確実に予測できる人など誰もいません。私は長期的には期待リターンがプラスであると思うから、インデックス投資を継続することには変わりありません。

ただ、下げてよかったというと怒られてしまいそうですが、先週の大きめの下げ相場によって、化けの皮が剥がれた人たちを見分けることができました。今後は、そういう人たちだとわかった上でコミュニケーションを取ればよいだけなので、そういう意味では有意義だったと個人的には思っています。


P.S
私個人の身近なコミュニティに閉じた話にすぎず、世の中のインデックス投資家全体が、こういう傾向にあると決め付けるものではありません。
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