バンガードCEO「市場が乱高下しているとき、何をすべきか?それは何もしないこと」

水瀬ケンイチ

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バンガードCEOビル・マクナブ氏からのメッセージが、バンガード公式WEBサイト掲載されています。それは、「市場が乱高下しているとき、何をすべきか?それは何もしないこと」というものでした。

バンガード・インベストメンツ・ジャパン 公式WEBサイト
2015/9/1 バンガードCEOビル・マクナブからのメッセージ「市場が乱高下しているとき、何をすべきか?それは「何もしない」こと」

詳しくは上記のコラムをご覧いただきたいのですが、ビル・マクナブ氏の主張は、「市場が極端な動きをしているときにすべき最も賢明なことは、多くの場合、これまでの計画を堅持すること」ということです。

上記コラムでは、3つの「投資家が現在の市場の熱狂を上手く切り抜けるためのシンプルなルール」を掲げています。タイトルのみ抜粋すると以下のとおり。

第1のルール:ボラティリティと周期的な調整は株式市場ではよくあることであると認識すること
第2のルール:雑音を消して、投資から感情を追い払うこと
第3のルール:ボラティリティを味方にすること

それぞれのルールの詳細や根拠は、上記コラムをご参照ください。

将来の市場動向がわからない多くの投資家(もちろん私も含む)にとって、株式市場に大きな騰落があったとしても、突然タイミング投資家に変身するのは好手とは思えません。自分のリスク許容度の範囲内で、世界中に幅広く分散されたポートフォリオを作っているのであれば、何もしないのがよいだろうと私も思います。

一方で、何もしなければ、短期的に(たとえば1週間や1か月待てば)株式市場が∨字回復すると期待するのもよくないと思います。長期的には期待リターンはプラスであると言われていますが、それは1週間や1か月程度で再現するようなスパンの話ではないと思います。

このことについて、私が今まで学んできたなかで、いちばんわかりやすい例えをご紹介します。

毎日の「天気」と「気候」は別物である。「天気」は短期的な現象、「気候」は長期的な現象を指す。この違いは重要である。気候のよい場所に住みたいと思った場合、先週の天気だけを参考にしても無意味である。同様に、長期的投資を行う時に、一時的なマーケットの上下に振り回されてはならないのである。

敗者のゲーム〈原著第6版〉」(チャールズ・エリス著)より


短期的には乱高下する株式市場から、年率の期待リターンを取り出すためには長い時間が必要であることを、私たちはリーマン・ショックで学んだはずです。

今、あなたが気にしているのは、「天気」ですか? それとも「気候」ですか?


※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いいたします。


4532356288敗者のゲーム〈原著第6版〉
チャールズ・エリス 鹿毛 雄二
日本経済新聞出版社 2015-01-24

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