狂信的なインデックス原理主義者にならぬよう、Rockyさんのグラフを確認する

水瀬ケンイチ

狂信的なインデックス原理主義者にならぬよう、「インデックスファンドはアクティブファンドに「必ず」優るわけではない」ことを、Rockyさんのグラフで確認しておきたいと思います。

以下のグラフは、相互リンクのRockyさんのブログ「インデックスドライバー」の「アクティブ運用がインデックス運用に敵わないことの誤解」という記事から引用させていただきました。

photo20150927.png
アクティブ運用がインデックス運用に敵わないことの誤解|インデックス・ドライバーより引用)

実にわかりやすくて素晴らしいグラフだと思います。上記を含めた数々のグラフをもって、Rockyさんは、

・「インデックスファンドはアクティブファンドに必ず優る」ということはなく、より良い成績を残すアクティブファンドも一定数存在する
・ただその数は少なくともこの分布ではぱっと見ただけでも相対的にマイノリティである

と考察しています。

数年前、自分で書いた「「狂信的なインデックス主義者」と言われないための3つのポイント」という記事を、今でもたびたび自分で引用していますが、そのなかで主張していることを、みごとにグラフで示していただき、勝手に「ありがとうございます」と手を合わせております。

(1) インデックスを上回る投資家は「必ず」存在することを知る

よく「アクティブファンドの6~7割はインデックスを上回れない」というデータが取り上げられ、インデックス投資の優位性が語られます。これはインデックス投資家にとって都合がいいデータなのですが、逆に言えば、「アクティブファンドの3~4割はインデックスを上回っている」とも言えます。

そのアクティブファンドを事前に選ぶのが極めて困難なのがミソなのですが、存在として、インデックスを上回る人というものは必ずいるんだということを覚えておきたいところです。あなたが得意になってインデックス投資の優位性を説いているその相手は、インデックスを越えるパフォーマンスを楽々とあげているかもしれないのです。

「狂信的なインデックス主義者」と言われないための3つのポイント - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)より引用)


インデックスファンドはアクティブファンドを平均的には上回っていますが、ある時点で切ってみれば、インデックスを上回るアクティブファンドは必ず存在します。だって、インデックスは「平均」なんですから。平均点が一番高いなどという状況は、学校のテスト結果のことを思い出してみればわかるとおり、おかしいということです(※)

インデックス投資の良さについての情報を読み漁るあまり、「インデックス投資最強!!」とばかりに、他の投資法をやっている投資家を執拗に攻撃する方がたまにいますが、やめておいたほうがいいですよ。最近は、インデックス投資ブロガーやツイッタラーが増えてきて、またぞろそういう感じの状況をよく見るようになってきました。

たとえば、インデックス投資を否定する個人のツイッター投稿を、わざわざ検索して「発掘」してまでリツイートで晒しあげ、馬鹿にするような行為には、眉をひそめてしまいます。

新聞や雑誌など大メディアが事実に反することを書いている場合ならまだしも、しがない個人のツイートなんて、放っておく方がいいでしょう。もしかしたら、上記のように継続してインデックスを上回り続けているすごい個人投資家の可能性もありますし。

なかには、プチ炎上によるPV狙いで、わざとインデックス投資を攻撃してくる悪質なブロガーもいるようですが、そういう輩こそ「無視」するのが、いちばんのダメージになるのですから。


※「テスト受験者が全員100点満点だったら…」などという超レアケースを持ちだして反論してくるとか、アホらしいのでやめてくださいね(ハート)


<特に関連が深いブログ記事>
梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
2011/05/09 インデックス投資への「過剰期待」と「過小評価」 その1
2011/05/09 インデックス投資への「過剰期待」と「過小評価」 その2


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Posted by水瀬ケンイチ