課税されるのが嫌なのでリバランスしたくない?
水瀬ケンイチ

先日、「いま儲かっているので、リバランスすると課税されてリターンが下がってしまう。だからリバランスしたくない」というお悩みをお聞きしました。お気持ちはわかるのですが、これは本末転倒ではないでしょうか。
リバランスは、運用中に崩れてしまった資産配分を、所定の資産配分に戻す作業です。主目的は、ポートフォリオのリスクを、自分のリスク許容度の範囲内に収めることです。
上がりすぎた資産クラスを売って、下がりすぎた資産クラスを買うのが通常です。または、下がりすぎた資産クラスに追加投資することで、売ることなくリバランスを行なうノーセル・リバランスというやり方もあります(私はこちらが多いです)。
ところが、リバランスの主目的が「リスク管理」ではなく、「リターン向上」になっている人が時々います。まあ、ポートフォリオの一部で、「安く買って、高く売る」ことになるので、相場動向がうまくいけば、リターン向上になる場合もあります。ただ、これはあくまで副次的な効果だと思っています。
値上がりしたリスク性資産(今回の方は外国株式クラス)が大きくなりすぎているということは、リスクを取りすぎている状態であり、危険な状態です。リバランスは、これを自分のリスク許容度の範囲内に戻す作業ですから、その際にリターンや税金を気にしている場合ではないはずです。
雨の日の高速道路で運転中、知らないうちに時速150kmを出してしまっていることに気づいたら、まずはブレーキを踏むのです。時速100kmに戻してから、到着時刻やらその後のスケジュールやら、他のことを考えればいいのです。事故ったらそこですべてが終わりです。
自分のポートフォリオがリスクの取りすぎ状態の時に、相場暴落をくらったら、一発退場になってしまう恐れがあります。退場になってしまっては、すべてがそこで終わりです。
そうならないために、「投資は自分のリスク許容度の範囲内で」という鉄則があるわけです。儲かっていようが損していようが、この鉄則に例外はないと思います。
リバランスの主目的を間違えてしまうと、いちばん儲かるリバランス方法やリバランスタイミングを追求し出し、リバランスという名のアクティブ運用に没頭するあまり、過大なリスクを放置するということになりかねません。
繰り返しますが、リバランスの主目的は、ポートフォリオのリスクを自分のリスク許容度の範囲内に収めることです。そこから発想しないと、おかしなことになります。
P.S
この方のお悩みは、「バランスファンドならリバランス不要で、リバランスによる課税がないので有利ではないか」という話が続くのですが、これはまた別の機会に。
上がりすぎた資産クラスを売って、下がりすぎた資産クラスを買うのが通常です。または、下がりすぎた資産クラスに追加投資することで、売ることなくリバランスを行なうノーセル・リバランスというやり方もあります(私はこちらが多いです)。
ところが、リバランスの主目的が「リスク管理」ではなく、「リターン向上」になっている人が時々います。まあ、ポートフォリオの一部で、「安く買って、高く売る」ことになるので、相場動向がうまくいけば、リターン向上になる場合もあります。ただ、これはあくまで副次的な効果だと思っています。
値上がりしたリスク性資産(今回の方は外国株式クラス)が大きくなりすぎているということは、リスクを取りすぎている状態であり、危険な状態です。リバランスは、これを自分のリスク許容度の範囲内に戻す作業ですから、その際にリターンや税金を気にしている場合ではないはずです。
雨の日の高速道路で運転中、知らないうちに時速150kmを出してしまっていることに気づいたら、まずはブレーキを踏むのです。時速100kmに戻してから、到着時刻やらその後のスケジュールやら、他のことを考えればいいのです。事故ったらそこですべてが終わりです。
自分のポートフォリオがリスクの取りすぎ状態の時に、相場暴落をくらったら、一発退場になってしまう恐れがあります。退場になってしまっては、すべてがそこで終わりです。
そうならないために、「投資は自分のリスク許容度の範囲内で」という鉄則があるわけです。儲かっていようが損していようが、この鉄則に例外はないと思います。
リバランスの主目的を間違えてしまうと、いちばん儲かるリバランス方法やリバランスタイミングを追求し出し、リバランスという名のアクティブ運用に没頭するあまり、過大なリスクを放置するということになりかねません。
繰り返しますが、リバランスの主目的は、ポートフォリオのリスクを自分のリスク許容度の範囲内に収めることです。そこから発想しないと、おかしなことになります。
P.S
この方のお悩みは、「バランスファンドならリバランス不要で、リバランスによる課税がないので有利ではないか」という話が続くのですが、これはまた別の機会に。
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