噂の超・低コストインデックスファンドシリーズはラップ用というオチを見て、EDINETの情報について考えた

水瀬ケンイチ

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4月に話題になったステート・ストリートのコスト最安値更新の超・低コストインデックスファンドシリーズ。

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結果的に、楽天証券のラップサービス用ファンドというオチでした。自分で運用する投資家にとっては、ラップサービスに用はないので落胆しました。

楽天証券 ニュースリリース 2016/06/14
ロボ・アドバイザー・ラップサービス“楽ラップ” 7 月 2 日(土)からいよいよサービス開始! ~業界最低水準※1の手数料、組入れファンドを決定~


ところで、今回、EDINETの情報について考える良い機会になりました。

ことの発端は、金融商品取引法にもとづく開示システムであるEDINETに、4月20日、上記ファンドシリーズの有価証券届出書が掲載されたのを、投信ブロガーたちがめざとく発見し、ブログ記事にしたことです。私も上記のブログ記事を書きました。

上記ファンドシリーズの信託報酬が最安値更新レベルであったため、投信ブロガーの間では「安い!!」とお祭り状態になりました。

しかし、どうも様子がおかしい。

有価証券届出書に記載されている販売会社と受託会社が、同じ三井住友信託銀行であったり、販売会社であるはずの同行が、投信ブロガーの問い合わせに対して「販売する予定はない」と回答するなど、不可解な情報が飛び交い、「いったい何なんだろう???」と界隈は混乱しました。

どうも、当時の有価証券届出書の情報は、一般向けではないうえに、掲載内容(特に販売会社欄)も便宜的な状態だったようです。

上記のファンドシリーズの有価証券届出書は、後日、6月16日に訂正有価証券届出書が開示され、販売会社欄に楽天証券の名前が追記され、そこに「※平成28年6月17日より受益権の募集取扱等を開始する予定です」と明記されました。

どのような事情でそんな段取りの開示になったのか、外部からは知り得ませんが、おそらく運用会社としては、開示ルールに則って手続きを粛々と行なっただけだと思われます。私たちはそれを横からのぞき見した形です。

EDINETは法令に基づく開示システムであって、一般投資家向けの新商品発売情報ではないことをあらためて思い知らされた感があります。

最近、EDINETの新ファンドの有価証券届出書にいかに早く気づいてブログ記事にするか、投信ブロガー間の勝負になっていた風潮も手伝い、当時の有価証券届出書の内容をそのままに(三井住友信託銀行で販売される体で)、拙速なブログ記事を書いてしまいました。申し訳ありません(ブログ記事は訂正済み)。

今回の当ブログ記事は、たとえるなら、テレビのグルメ番組でまだ下ごしらえもしていない食材を見せただけで、「この料理は美味い!」と紹介してしまったようなものです。

当然のことながら、食材を食材として紹介するのはいいけれど、料理として紹介してはよろしくない。同じように、EDINETの有価証券届出書の情報を、あたかも一般投資家向け新商品発売の確定情報であるかのように紹介してはよろしくない。

今後はそれをふまえた記事内容にしなくてはいけないと思いました。反省。

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Posted by水瀬ケンイチ