野村MMFの繰上償還、ところがどっこいDC向けは生きている
水瀬ケンイチ

マイナス金利のため、MMFが次々に繰上償還が決定されていき、最後の牙城だった野村MMFも先日ついに繰上償還に向けた手続きが始まりました。
マイナス金利で国内短期金融市場の利回り水準が下がり、ファンドの運用方針に則った運用が困難になったというのが、繰上償還の理由です。
ところが、同じ野村アセットマネジメントのMMFですが、勤務先の確定拠出年金(DC)向けのMMFは、引き続き募集するので安心してくださいという旨の情報が出ていました。
詳しい内部事情ははかりかねますが、確定拠出年金(DC)向けの投信は一般公募の投信とくらべて、簡単には繰上償還できない仕組み(事情?)になっている可能性があります。
そういう意味では、確定拠出年金(DC)専用投信を一般向けに開放した三井住友DCシリーズや、日興アセットの年金積立シリーズは、繰上償還のリスクが比較的低いのかもしれませんね。
かつては、低コストなインデックスファンドは、金融機関側の事情ですぐに繰上償還や取扱廃止に追い込まれていた時代がありました。
最近はインデックスファンドの繰上償還はあまり見かけなくなりましたが、今後どうなるかわかりませんので、確定拠出年金(DC)向け投信のメリットの可能性として、頭の片隅に置いておきたいと思います。
- 関連記事
-
-
2024年4月から投資信託のコスト開示が変わる。「総経費率」の目論見書記載を義務付け 2023/06/08
-
資金純流出入額ランキングでインデックスファンドが上位独占。アクティブファンドにも投資妙味がという説明は…? 2023/05/07
-
投信の運用コストの比較は信託報酬だけでなくその他費用を加えた「総経費率」を見ることが重要 2023/04/29
-
長期投資向きの投信が日本で育たない理由 2022/08/07
-
今度こそ“低コストなアクティブファンド”がインデックスを上回る? 2022/08/05
-
日本の投資信託市場が大転換するかも 2022/06/04
-