「定年退職すると不健康になる」とはいうけれど、それは何の準備もなくいきなり退職するからではないか
水瀬ケンイチ

いくつかの研究が、「定年退職すると不健康になる」というデータを示しているそうです。
たしかにそうなのかもしれませんが、これは何の準備もなくいきなり退職するからではないかと、個人的には考えます。
上記記事では、「私が退職する時は死ぬ時だ」と明言する72歳の大学教授の例が、取り上げられています。退職しないで死ぬまで働くというのは、本当にすごいバイタリティで勤勉なすばらしいかたです。
ただ、ふつうの人はいつか退職します。そして、その準備としては、年金などお金のことばかり考えていて、「自由な時間」の使い方を見直そうという考えをあまり持たないようです。
自分は今でも細々と早期リタイアを目指しています。
そのために、資産運用というお金の面だけでなく、自分がどういう状態にあると「幸せ」と感じるのかを把握したうえで(これはすでに把握済み)、自然体でいられるにはどうしたらよいか、受身ではなく能動的に時間を使うにはどうすればよいか等について、意識して自分を研究していました。
数年前から自分というものがおぼろげながら見えてきたので、来たるべきリタイアの日に向けて、自然体でいられるための環境、能動的に時間を使う対象等について、実現できるように少しずつ取り組み始めています。
もちろん本業の仕事を優先しながらですが、平日夜や休日にコツコツ取り組んでおり、ちっぽけな成果ですが、ぼちぼち形になってきている部分も出てきました。目指すところはまだまだなのですが。
なんだか抽象的な話になってきておりますが、すべて自分個人のあたまの中の話なので、具体的内容については、恥ずかしくて他人様に公開できません。それをわざわざ知りたいという人がいるとも思えません。
ただ、「退職すると必ず不健康になるわけでもない」ということは言えるという確信が私にはあります。
なぜなら、実際に、リタイア後に趣味や地域活動、ボランティア等で活き活きと活躍している方々が、自分の家族や友人にたくさんいるし、実際リタイアされた方々へのインタビューをしているし、自分のリタイアに関する愛読書「働かないって、ワクワクしない?」(アーニー・J. ゼリンスキー著)にも成功した実例が数多く掲載されているからです。
すべては、退職前の「準備」にかかっていると思います。
「定年退職すると不健康になるから一生働く」というのは、すばらしいけれど誰もができることではないので、もうちょっと肩の力を抜いて「ダウンシフト」した自分らしい生き方を楽しむ道が、他にもあるのではないかと思います。
<特に関連が深い過去記事>
<追記> 2016/07/06
タイミングよくNightWalkerさんのブログに、リタイヤ後の喪失感についての記事がアップされていましたので追記。マズローの欲求階層説を用いての考察、納得です。
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