公的年金受給資格期間が10年に短縮。それでいくらもらえるのか?
水瀬ケンイチ

政府は来年から公的年金の受給資格を得られる加入期間を25年から10年に短縮する法案を決定したと報道されています。
私は年金の加入期間がもうじき25年になりますが、若い方は25年というのは気が遠くなるくらい先のことと感じると思います。
ちなみに、いま海外に来ているので、海外の国々ではどのくらいの期間が必要なんだろうかと気になり調べてみました。少し古いですが、厚生労働省のサイトに資料がありました。
諸外国における年金の受給資格期間
日本:25年
アメリカ:40加入四半期(10年)
イギリス:なし(2007年の法改正により受給資格期間は撤廃。ただし、旧法適用対象者の年金受給には男性11年、女性9.75年の加入期間が必要)
ドイツ:5年
フランス:なし
スウェーデン:なし(保証年金については最低3年のスウェーデンでの居住が必要であり、満額受給は40年の居住が必要)
(「受給資格期間の短縮について」第2回社会保障審議会年金部会 平成23年9月13日 より引用)
こうして比べてみると、日本の年金の受給資格期間は飛び抜けて長いですね。資料には現在25年となっている過去の経緯も書かれているので、ご興味があれば見てみてください。
それよりも、もし10年間だけ年金を払ってあとは払わなかった場合、将来いくらもらえるのでしょうか。それも資料に書かれていました。
現行制度だと、年金の月額は「1.6万円強」になるとの試算が書かれています。厚生労働省みずから「生活を支えると言えないような低額の年金額」と評しています。たしかに、月額1.6万円だと、ないよりマシでしょうがとても暮らせませんね。
来年以降の年金受給資格期間の短縮を受けて、制度がどのよう変更になるのか、あるいはならないのか、気にはなるところですが、若い方におかれましては、安易に「10年だけ払えばいいや」と思わない方がよいと思います。
自分の将来の生活を支える年金です。しっかりと考えましょうね。
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