クレジットカードのポイントを投信連動で「運用」するサービス!?
水瀬ケンイチ

クレディセゾンで、セゾンカードの永久不滅ポイントを投信連動で運用するというサービスが始まっているようです。
日本経済新聞の記事で知りました。サービスは既に始まっているようなので、セゾンカードのWEBサイトを確認したところ、ありました、ありました。
マニアック精神を発揮してサービス規約を読み込んだところ、「永久不滅ポイント運用サービス」は、セゾンカードの利用者が、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社(MSV)のファンドと値動きが連動する2つのコースを選び、その値動きと連動して永久不滅ポイントが増減するという仕組みでした。
2つのコースはそれぞれ、
MSV内外ETF資産配分ファンド(Hコース)/アクティブコース
MSV内外ETF資産配分ファンド(Aコース)/バランスコース
であり、これと連動して永久不滅ポイントが増減するそうです。
ただし、あくまでもセゾンカードの永久不滅ポイントの使い方のひとつという建て付けであって、新たに自分名義のMSVの投資口座を開設するという形ではないようです。
これはちょっとおもしろいなと思いました。
投資未経験者にとって、「保有資金が増減する」というのは、未知のものへの恐怖心があります。投資に対する大きなハードルのひとつでしょう。私も10数年前、初めて株の注文を出した時はクリックする指が震えました。
人は、自分が汗水流して稼いだお金は使い方を十分吟味します。一方で、宝くじで当たったお金は、同じお金であるにもかかわらず、「あぶく銭だから」と適当に散財してしまうようなところがあります。行動ファイナンスで「メンタル・アカウンティング(心の会計)」と呼ばれているバイアスです。
クレジットカードのポイントという「おまけ」で、保有資金の増減をプチ体験してもらうというのは、投資に対するハードルを下げる効果がありそうです。クレディセゾンもうまいことを考えたなと思います。
ただ、資金増減のプチ体験で、投資に興味を持った利用者に対して、その後の行き先がすべておまかせのMSVの投資一任契約だけでいいの?という気はします。
投資知識が身につくコンテンツにつながり、ゆくゆくは自ら投資判断ができる投資家へという道があってもいい気はします。たとえば、セゾン投信のファンドを利用者が自ら購入できる道も用意するとか。よくばりすぎですかね。
じつは私もセゾンカードを1枚持っており、おもしろそうなので、ポイント運用サービスに申し込んでみました。コースは、MSV内外ETF資産配分ファンド(Hコース)に連動する「アクティブコース」です。
手続きは永久不滅ポイントのWEBサイトで10秒ほどで完結。提出書類もなく、拍子抜けするほどかんたんでした。上記の日経記事によると、「有効期限のないセゾンの永久不滅ポイントは換金できないため資金決済法や金融商品取引法の規制を受けない」とのことで、だからこんなにかんたんなのかもしれませんね。
これからどんな運用結果になるのか楽しみです。といっても、300ポイントしかありませんでしたが(笑)
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