アクティブファンドの一部はまだ死んでいない≒大半のアクティブファンドはもう死んでいる?
水瀬ケンイチ

大半のアクティブファンドはインデックスに勝てないという調査結果は、世界中で観測されています。
<ご参考>
アクティブファンドの9割が相場に勝てないという調査結果、日本では? - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
そんななか、ブルームバーグに「まだ死んでいない-アクティブファンドの一部、指数連動型を粉砕」という見出しの記事が掲載されています。
調査会社モーニングスターが8日発表したリポートによれば、新興市場株ファンドと中期債ファンドの運用者の過半数は過去3-5年にインデックスファンドを上回る成績を収めた。新興市場株ファンドでは全体の約60%がこの間に指数連動型をパフォーマンスで上回った。中期債ファンドでは過去3年に54%が、過去5年では68%がインデックス型に打ち勝った。
まだ死んでいない-アクティブファンドの一部、指数連動型を粉砕 - Bloomberg
米国において、新興国株ファンドと中期債ファンドでは過半数のアクティブファンドが、インデックスファンドを上回ったとのこと。
ある時期のスナップショットでインデックスを上回るアクティブファンドが存在するのは、多くのインデックスが市場平均であることを考えると、当たり前と言えば当たり前です。平均というのは上位と下位の中間にあるものですので。
にもかかわらず、大半のアクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまうのは、高い運用コストがアクティブファンドのパフォーマンスを引き下げるからです。
そう考えると、高い運用コストというハンデを抱えながら、新興国株ファンドと中期債ファンドでは過半数のアクティブファンドがインデックスファンドを上回ったというのは、すごいことだと思います。すばらしい!
ただ、これがニュースになるということは、それだけ珍しい事象だということです。
アクティブファンドの一部はまだ死んでいないということは、大半のアクティブファンド(米国株や先進国株など他の主要アセットクラスのアクティブファンド)は、やっぱりインデックスファンドに負けているということです。
長期投資をするのであれば、長期的に変わらない傾向や投資の原則にそった戦略を採りたいなと私は思います。
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