「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」の結果分析による初心者の投資信託の選び方
水瀬ケンイチ

初心者の投資信託の選び方について、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」の結果とともに解説するコラムが「東証マネ部!」に掲載されています。
2007年にスタートして、今回で12回目を数える「投信ブロガ...
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」は、当ブログでも毎年投票している投資信託のアワードです。
証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」という目的で、有志の投資家たちによって毎年実施されています。
<ご参考> 当ブログのレポート記事
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」は eMAXIS Slim 先進国株式インデックス - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
上記「東証マネ部!」のコラムでは、運営委員のひとりでもある竹川美奈子氏が FOY2018 の結果を分析しています。
- コストに対する関心が高まっており、信託報酬が低い商品が評価される傾向が強まっている
- 背景には、信託報酬の上限が設定されている「つみたてNISA」(2018年開始)の存在
- 低コストで分散効果の高いインデックス投信を資産形成のコア(土台)に据えようと考える方が多い
- インデックス投信以外でも、運用会社の情報開示や顧客サポートの姿勢、投資哲学・運用スタイルが明確といった評価もある
たしかにそうだよなぁと思える分析です。2018年は「つみたてNISA」の開始によって、運用会社のコスト競争が起こり、信託報酬の水準がどんどん下がった1年だったと私も思います。
初心者の投資信託の選び方としては、
- まずはつみたてNISAの対象商品の中から選ぶ
- MSCI ACWI IndexやFTSE Global All Cap Indexに連動する投信を選ぶと、1本で日本、先進国、新興国の株式にまとめて投資できるのでるので一番手軽
- 『eMAXIS Slim 全世界株式』(三菱UFJ国際投信)や『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信)、『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)など
選び方としては、私も同意です。
今までは、日本株式のインデックスファンド、先進国株式のインデックスファンド、新興国株式のインデックスファンドと組み合わせて投資すると合計の運用コストが安くあがることが多かったです。
しかし、前述のとおり、全世界(日本株式、先進国株式、新興国株式)に1本でまとめて投資できるインデックスファンドの運用コストが安くなったので、あえて組み合わせて利用する必要性がなくなってきました。
時価総額比率になっている資産配分に納得ができれば、1本で済ませられたほうが管理もしやすいです。
買い方については、
- 積み立て投資は投資信託の価格が低迷しているときも続けやすい
- 稼いだお給料の一部を自動的に投資に回す仕組みをつくることで、無理なく投資を継続できる
- もっとも、積み立て投資はリターンを高める方法というわけではない
積み立て投資(ドルコスト平均法)は有利でも不利でもないが、手間がかからず継続しやすいというのは、15年以上継続してきた私も間違いないと言えます。
できれば、投資しようとする投資信託の期待リターンとリスクを数字で確認して、自分のリスク許容度の範囲内で投資するという説明まであるとより良いと思いましたが、あれもこれもというわけにはいかないか。
初心者向けの良コラムだと思いました。
<ご参考>
私が執筆した初心者向けの投資本と、監修したムックです。できるだけわかりやすく、入口から出口までぜんぶ書いたつもりです。ご興味があればどうぞ。
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