なぜ、インデックス投資はマイナーなのかを考える (その1)
水瀬ケンイチ
率直に申し上げて、インデックスファンド・ETFを活用した「インデックス投資」は、個人投資家の間では、“超”マイナーであります。
自分が良いと考えて実践している投資法が、何故に、こんなにもマイナーなのか。
その理由を自分なりに考えてみましたので、何回かに分けて、書いてみたいと思います。
世間では株ブームとやらで、株をやっているという人はたくさんいるのですが、インデックス投資をしているという人には、公私含めて、実際にお会いしたことがほとんどありません。
体感的には、ひとりぼっちという感じです(笑)。
また、あちこちの書店で、絶賛拡大中の株本コーナーをのぞいてみても、インデックス投資をすすめる書籍は、あまり目立ちません。
さらに、ネットコミュニティ(mixiのコミュニティやyahoo掲示板など)でも、インデックス投資をすすめる発言は、ごく少数である気がします。
(余談ですが、だからこそ、ブログで交流させていただいているインデックス投資仲間は貴重であります!)
このように、個人投資家の間ではマイナーなインデックス投資ですが、意外なことに、機関投資家の間では、「インデックス運用ブーム」だったそうなのです。
自分が良いと考えて実践している投資法が、何故に、こんなにもマイナーなのか。
その理由を自分なりに考えてみましたので、何回かに分けて、書いてみたいと思います。
世間では株ブームとやらで、株をやっているという人はたくさんいるのですが、インデックス投資をしているという人には、公私含めて、実際にお会いしたことがほとんどありません。
体感的には、ひとりぼっちという感じです(笑)。
また、あちこちの書店で、絶賛拡大中の株本コーナーをのぞいてみても、インデックス投資をすすめる書籍は、あまり目立ちません。
さらに、ネットコミュニティ(mixiのコミュニティやyahoo掲示板など)でも、インデックス投資をすすめる発言は、ごく少数である気がします。
(余談ですが、だからこそ、ブログで交流させていただいているインデックス投資仲間は貴重であります!)
このように、個人投資家の間ではマイナーなインデックス投資ですが、意外なことに、機関投資家の間では、「インデックス運用ブーム」だったそうなのです。
いろいろ調べると、1990年代から、金融工学(インデックス運用が最も効率的であると帰結する)が運用の世界を席巻したことで、日本の機関投資家は、インデックス運用の比率を大幅に上げ、中心に据えたそうです。
機関投資家としては最大クラスと言えるであろう「厚生年金」の運用手法には、「長期的には市場は概ね効率的であると考えられること等から、各資産ともパッシブ運用(=インデックス運用)を中心とする」と、思いっきり明記されています。
(出典)厚生年金、国民年金の積立運用ホームページ
また、ただでさえ、インデックス運用商品は、アクティブ運用商品よりも運用報酬が安いのですが、ITバブル崩壊後のコスト削減ムードもあって、機関投資家向けインデック運用商品のコスト競争が激化し、運用報酬が更に下がったことも、インデックス運用ブームに拍車をかけたのだと思われます。
僕が調べたところ、企業年金基金が支払う運用報酬は、平均して0.3~0.4%程度のようです。平均ですから、年金資産規模によって、0.1%台など、もっと安いところもあるのでしょう。
(出典)企業年金連合会 2004年年次報告書
話は少々脱線しますが、個人投資家向けの投資信託の信託報酬は、この10年でむしろ上がっていることを考えると、機関投資家ワールド、なんとうらやましいことでしょう。
(関連記事)2006/06/25 投信の管理手数料、10年で14%値上がり
最近は、金融工学とは違う新たな理論が登場したり、ヘッジファンドやコモディティファンドなどへの投資も増えてきてはいるようですが、機関投資家の間では、インデックス運用はまだまだメジャーであるようです。
機関投資家に採用されている投資法なんだから、インデックス投資は、少なくともそんなに悪い投資法でもないんじゃないかと、すこし自信を深めると同時に、それじゃあ、いったい何故、個人投資家の間では、こんなにもマイナーなのか?が気になります。
次回は、個人投資家の間でだけ、インデックス投資がマイナーな理由を考えてみます。
(次回へ続く)
機関投資家としては最大クラスと言えるであろう「厚生年金」の運用手法には、「長期的には市場は概ね効率的であると考えられること等から、各資産ともパッシブ運用(=インデックス運用)を中心とする」と、思いっきり明記されています。
(出典)厚生年金、国民年金の積立運用ホームページ
また、ただでさえ、インデックス運用商品は、アクティブ運用商品よりも運用報酬が安いのですが、ITバブル崩壊後のコスト削減ムードもあって、機関投資家向けインデック運用商品のコスト競争が激化し、運用報酬が更に下がったことも、インデックス運用ブームに拍車をかけたのだと思われます。
僕が調べたところ、企業年金基金が支払う運用報酬は、平均して0.3~0.4%程度のようです。平均ですから、年金資産規模によって、0.1%台など、もっと安いところもあるのでしょう。
(出典)企業年金連合会 2004年年次報告書
話は少々脱線しますが、個人投資家向けの投資信託の信託報酬は、この10年でむしろ上がっていることを考えると、機関投資家ワールド、なんとうらやましいことでしょう。
(関連記事)2006/06/25 投信の管理手数料、10年で14%値上がり
最近は、金融工学とは違う新たな理論が登場したり、ヘッジファンドやコモディティファンドなどへの投資も増えてきてはいるようですが、機関投資家の間では、インデックス運用はまだまだメジャーであるようです。
機関投資家に採用されている投資法なんだから、インデックス投資は、少なくともそんなに悪い投資法でもないんじゃないかと、すこし自信を深めると同時に、それじゃあ、いったい何故、個人投資家の間では、こんなにもマイナーなのか?が気になります。
次回は、個人投資家の間でだけ、インデックス投資がマイナーな理由を考えてみます。
(次回へ続く)
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