トウシルで山崎元氏が「ほったらかし投資術」出版後の10年について語る!
水瀬ケンイチ

トウシルで山崎元氏が「ほったらかし投資術」について語っています。共著者の私と当ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」についても紹介いただき、うれしいです。
簡単・少手間・合理的!「ほったらかし投資術」2019年最新版 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
近年、「ほったらかし投資(術)」について解説して欲しいという取材依頼が多い。「ほったらかし投資」とタイトルに冠したムック本なども作った。直接この単語をタイトルにしないまでも、雑誌などのお金の特集の運用部分について、「『ほったらかし投資術』で説明していたような投資法を分かりやすく教えて欲しい」といった依頼が来ることもある。
詳しくは、上記コラムをご覧ください。そのなかで、「ほったらかし投資術」の初版が出た2010年当時のことも書いてあり、私もなつかしく振り返りました。
約10年前、山崎元氏からツイッターのDMで「いっしょに本を書きませんか?」とさそわれた時には、目が飛び出るほど驚きました。何冊も熟読していた投資本の著者さんからDMが来るなんて。
いち個人ブロガーを本の執筆に導いていただいた、いや、おこがましいな、拾っていただいた御恩は一生忘れません!
「ほったらかし投資術」という書名の名付け親は、この本の担当編集者だった友澤和子氏だが、当時、筆者はこの書名にあまり賛成ではなかったことを白状しておこう。
(簡単・少手間・合理的!「ほったらかし投資術」2019年最新版 | トウシル 楽天証券の投資情報メディアより)
そうなんですよ。「ほったらかし投資術」は編集担当だった友澤さんが付けた名前なのです。ちなみに、私も書名案を作って送りました。当時のメールを発掘してみたところ、以下のとおりです。
<スタンダードバージョン>
・投資の超基本
・楽ちん投資術
・投資のキホンのキ
・すべて見せます!インデックス投資
・不確実な未来に合理的な投資を
・インデックス投資入門 ~かんたん自分年金作り~
・投資のグローバルスタンダード ~インデックス投資入門~
・インデックス投資の時代
<やや煽りバージョン>
・世界で一番楽ちんな投資法 ~インデックス投資入門~
・ほったらかしの楽ちんインデックス投資
・これを知らずして他の投資を語るな ~インデックス投資入門~
・金融マンがいちばん嫌がる投資法 ~インデックス投資のすべて~
<動物バージョン>
・ネコでも分かるインデックス投資入門
・イヌでも分かるインデックス投資入門
・サルでも分かるインデックス投資入門
※この場合は、本のあちこちにイラストを登場させる等の演出が必要
<おふざけバージョン>
・日本人みなインデックス投資家計画
・学校が教えないならオレたちが教える! ~インデックス投資入門~
・インデックス投資界筆頭、山崎元、推して参る!
(当時の自分の送信メールより)
皆さまご承知のとおり、ぜんぶ却下されました。はい。素人のアイディアなので当然です。(我ながら、「インデックス投資界筆頭、山崎元、推して参る!」って何なんだよw 意味わからんww)
そして、山崎氏が「ほったらかし投資術」という書名を当初、気に入っていなかったのも本当です。
出版社が作成したオビに大きく書いてあった「賢者の運用術」というキャッチフレーズを見て、「こっちが書名の方が良かったなあ」としきりに仰っていたのを思い出します。出版記念セミナーでも仰っていたような…(笑)
パラパラと読み返して見ると、内容は意外なくらい「堅い」し「詳しい」。インデックス投資に詳しい投資家の期待に応えようとして書いたことが思い出されるのだが、この内容で堅いタイトルを付けたら、この本はあまり売れなかったのではないか。
(簡単・少手間・合理的!「ほったらかし投資術」2019年最新版 | トウシル 楽天証券の投資情報メディアより)
これもそのとおり。出だしはやわらかく始まったものの、内容はけっこう堅い感じでした。
できるだけわかりやすく書こうと努力したつもりでしたが、今読み返すと、用語の説明もそこそこに、難しいことがさらっと書いてあったりします。当時、ブロガー仲間の虫とり小僧氏が、「頭に汗をかく」と仰っていたのを思い出します。反省ですね。
2010年の書籍を読んで投資を始めた方は、まずまずの運用結果を得たのではないかと思うが、これは書籍の内容や著者が優れているのではなく、主としてマーケットが良かったからだ。
もっとも、こうした良い市場環境の下で投資していても、金融機関の言いなりに売買を繰り返していたような方の場合、運用結果が良くなかった可能性が大いにあるので、「多少は、お役に立てたのではないでしょうか」というくらいのことを読者に(控えめに)言ってもいいかもしれない。
(簡単・少手間・合理的!「ほったらかし投資術」2019年最新版 | トウシル 楽天証券の投資情報メディアより)
「ほったらかし投資術」で紹介している投資法は、いわゆるインデックス投資(国際分散投資したインデックスファンドを積み立てて長期保有)なので、市場平均が投資成果となります。
もともと、インデックス投資は、長期でならせば年4~5%程度のささやかな期待リターンが見込めるというリターン水準の投資法です。
もしも今、すごく儲かっているというインデックス投資家の方がいたとしても、それは主として市場環境が良かったからです。リーマン・ショック級の下げ相場も想定して、リスクを取りすぎることのないようにしたいところです。
株式比率の高めすぎ、投資金額のつぎ込みすぎにはご用心。
最後に、上記コラムで山崎氏が、「ほったらかし投資」の具体的手順としてあげていた小見出しを、抜粋させていただきます。
【手順1】生活に必要な資金を別途確保する
【手順2】上記以外の運用資金の中で、リスクを取ってもいいと思う金額を内外のインデックス・ファンドに投資する
【手順3】リスク資産について、企業型確定拠出年金、iDeCo、一般NISA、つみたてNISAなど税制上有利に運用できる制度を極力大きく利用し、こうした口座に、自分の投資全体の中からリスク資産部分を集中する
【手順4】リスク資産内の配分は追加投資・部分解約の際に緩く調節する
【補足1】自分の買値・現在の値段に拘らずに追加投資・部分解約を行う
【補足2】金融マンや商品を売るお金の専門家のような人に、「自分をほったらかして貰えるようにする」ことこそが「ほったらかし投資術」の「奥義!」だ
「ほったらかし投資」の要諦がまとまっています。上記コラムに、もう少し詳しい情報が掲載されているのでご覧ください。更に詳しい情報をお望みであれば、「ほったらかし投資術」もぜひ読んでみてください(初版よりは全面改訂版の方をおすすめします)。
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