もしコストゼロのインデックスファンドがあったら必ず儲かる?
水瀬ケンイチ

昨年2018年の夏、米国フィデリティ・インベストメンツが信託報酬ゼロのインデックスファンドを発売して話題になりました。
米国のこととはいえ、コスト競争もついにここまで来たかと驚きました。その後、ブラックロックやバンガードなど大手他社は追随せずに静観の構えを続けているようですが、遅かれ早かれ、この流れはいずれ日本にも及ぶと思われます。
もし、日本でも運用コストゼロのインデックスファンドが登場したら熱いですね。
資産運用において、将来のリターンは「不確実」ですが、コストは「確実」です。だから、コストを低く抑えることができれば、それだけリターンが削られるのを抑えることができます。
では、もし、夢のコストゼロのインデックスファンドが日本に登場したら、投資家は大勝利で必ず儲かるのでしょうか。
答えは、「No」です。
「えっ!?」と思われたかた、そのままもう少し読み進めてください。「そんなの当たり前じゃん」と思われたかた、当たり前の話をするので、戻るボタンを。
たしかに、コストゼロで、ベンチマークのインデックスにきちんと連動するインデックスファンドがあれば理想的です。
しかし、それはやっと市場平均=インデックスと並ぶ「スタートライン」に立つことができるようになるだけです。
ご承知のとおり、各アセットクラスのインデックスには、期待リターンだけでなく、リスクがあります。アセットクラスにもよりますが、株式クラスではこのリスクはかなりの暴れん坊であり、短期的には、信託報酬の大小なんて一瞬で吹き飛ぶほど上にも下にも跳ね回ります。
市場は短期ではプラスになったりマイナスになったりしながら、長期でならすと年率で数%程度の期待リターン程度が見込めるだろうと考えて、長期的に投資するのがインデックス投資の実態です。
その市場の期待リターンに、最も近づけるのがコストゼロのインデックスファンドであるというだけのことです。(裏を返せば、ほとんどすべてのインデックスファンドがコスト等のせいでインデックスに追いつけないということなのですが)
市場の期待リターンを取り出すには、長期的に投資し続ける必要があります。ここは投資家が頑張らなければいけないところです。
したがって、コストゼロのインデックスファンドさえあればマイナスにはならない≒必ず儲かると思われているかたは、インデックス投資に対する過剰期待を疑った方がよいかもしれません。
過剰期待がやっかいなのは、今のように温かい相場で儲かっているうちは問題が表面化しないこと。しかし、いざ損失が膨らみだすと、「裏切られた」という気持ちになってしまうでしょう。
超低コストやコストゼロのインデックスファンドが実現してくれるものは何なのか。投資家が頑張らないといけないのはどこなのか。そもそものところを忘れないようにしたいです。
もし、日本でも運用コストゼロのインデックスファンドが登場したら熱いですね。
資産運用において、将来のリターンは「不確実」ですが、コストは「確実」です。だから、コストを低く抑えることができれば、それだけリターンが削られるのを抑えることができます。
では、もし、夢のコストゼロのインデックスファンドが日本に登場したら、投資家は大勝利で必ず儲かるのでしょうか。
答えは、「No」です。
「えっ!?」と思われたかた、そのままもう少し読み進めてください。「そんなの当たり前じゃん」と思われたかた、当たり前の話をするので、戻るボタンを。
たしかに、コストゼロで、ベンチマークのインデックスにきちんと連動するインデックスファンドがあれば理想的です。
しかし、それはやっと市場平均=インデックスと並ぶ「スタートライン」に立つことができるようになるだけです。
ご承知のとおり、各アセットクラスのインデックスには、期待リターンだけでなく、リスクがあります。アセットクラスにもよりますが、株式クラスではこのリスクはかなりの暴れん坊であり、短期的には、信託報酬の大小なんて一瞬で吹き飛ぶほど上にも下にも跳ね回ります。
市場は短期ではプラスになったりマイナスになったりしながら、長期でならすと年率で数%程度の期待リターン程度が見込めるだろうと考えて、長期的に投資するのがインデックス投資の実態です。
その市場の期待リターンに、最も近づけるのがコストゼロのインデックスファンドであるというだけのことです。(裏を返せば、ほとんどすべてのインデックスファンドがコスト等のせいでインデックスに追いつけないということなのですが)
市場の期待リターンを取り出すには、長期的に投資し続ける必要があります。ここは投資家が頑張らなければいけないところです。
したがって、コストゼロのインデックスファンドさえあればマイナスにはならない≒必ず儲かると思われているかたは、インデックス投資に対する過剰期待を疑った方がよいかもしれません。
過剰期待がやっかいなのは、今のように温かい相場で儲かっているうちは問題が表面化しないこと。しかし、いざ損失が膨らみだすと、「裏切られた」という気持ちになってしまうでしょう。
超低コストやコストゼロのインデックスファンドが実現してくれるものは何なのか。投資家が頑張らないといけないのはどこなのか。そもそものところを忘れないようにしたいです。
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