2019年 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー的、3大ニュース

水瀬ケンイチ

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2019年がもうすぐ終わります。今年もいろいろなことがありましたが、ここで2019年 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー的、3大ニュースをまとめておきたいと思います。

(1) 予想外の好調相場で右肩上がりの1年間
(2) 「年金2000万円不足問題」報道のバカ騒ぎ、怪我の功名で資産運用への関心高まる
(3) 拙著「お金は寝かせて増やしなさい」2周年で10万部突破

以下、ふりかえってみます。

(1) 予想外の好調相場で右肩上がりの1年間


全世界株式(MSCI ACWI)は年初から約30%上昇しました(年率で均すと+11%くらい)。小さな騰落をくり返しながらじりじりと上昇して、結果的には右肩上がりになりました。



思えば、昨年2018年は下げ相場でした。折しも、金融庁が鳴り物入りで立ち上げた「つみたてNISA」の開始初年度でもありました。これで投資デビューした投資家は、長期投資とはいうものの初年度から含み損(マイナス)を抱える形となり、「本当にこれでいいの?」と不安になられた方も多かったと思われます。

<関連記事>
初年度の「つみたてNISA」が損益マイナスでもつみたてをやめない方がよい理由 - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

前途多難な出航かと思われましたが、2019年は一転、前出のとおり右肩上がりが続き、投資家にとってあたたかい相場が続きました。

「つみたてNISA」での積み立て投資をやめないで継続した投資家は、報われて含み益(プラス)になっているのではないでしょうか。

1年前の上記関連記事でも繰り返し書きましたが、「つみたてNISA」においては、ファンドの取得価格は「今後20年かけてつくっていくもの」です。開始後1~2年の損益に一喜一憂する意味はあまりありません。

2018年の下げも2019年の上げも、「株価はふつうにこれくらい動くものなんだな。体験できてよかった」くらいに受け止めておくのがいいあんばいだと思います。

2019年は右肩上がりでしたが、今後、また下げ相場が来ることが必ずあるでしょう。

それを乗り切るには、市場はどれくらい動くのか(リスク=ボラティリティ)を知り、自分自身のリスク許容度の範囲内で投資を継続していくことが大切だと改めて思いました。



(2) 「年金2000万円不足問題」報道のバカ騒ぎ、怪我の功名で資産運用への関心高まる


2019年でいちばん呆れたのが、 新聞、テレビ、政治家、国民を巻き込んだ「年金2000万円不足問題」です。

皆さま耳にタコができるほど見聞きして飽き飽きしていると思いますが、金融庁の金融審議会がまとめた報告書「高齢社会における資産形成・管理」に対して、その一部分(老後の生活費と年金の差分)だけを切り取り、「政府が年金の限界を認めた」とマスコミが年金叩きで大騒ぎしました。

それに乗じて「裏切られた」とヒステリックに煽り立てる無責任TVコメンテーターたち、さらには、ここぞとばかりに年金不足の責任を追求するなどと「政争の具」にして国会の貴重な時間をムダ使いする政治家たちなどが参戦し、一時期、お茶の間の話題をかさらっていた問題です。

<関連記事>
「年金2000万円不足問題」のばかばかしさ - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

結局、金融審議会の報告書を政府が受け取らない(でも資料は公開したまま残す)という宙ぶらりんな、なんとも形容しがたい結末を迎えたわけですが、その一方で、よい影響もありました。

年金だけでは老後にお金が不足する場合があるという至極あたりまえの現実が、知らなかった人に知れ渡ったことことです。それにより、若者世代を中心に老後の備えとしての資産運用への関心が高まりました。

日本ファイナンシャルアカデミーの調査によると、老後2,000万円問題について、全年代の8割が「自分ごとだと感じる」と回答しました。また、老後2,000万円問題をきっかけに、2割が「新たに何かしらの行動」を起こしたと回答し、以前から老後資産形成を行なっている人とあわせると半数以上が行動を起こしていることがわかりました。

<参考記事>
老後2,000万円問題から半年、その後の実態を全国600名に調査。「貯蓄から投資へ」いよいよシフト!? 2,000万円問題を機に新たに動いた人も2割|日本ファイナンシャルアカデミー株式会社のプレスリリース

「年金2000万円不足問題」報道のバカ騒ぎも、これをきっかけに自分の将来を考える人が増えたのであれば、まさに「怪我の功名」と言えるでしょう。



(3) 拙著「お金は寝かせて増やしなさい」2周年で10万部突破


2017年12月に発刊された拙著「お金は寝かせて増やしなさい」(フォレスト出版)が、2019年12月で2周年、そしてついに目標としていた10万部突破という節目を迎えました。

もう何度も書いているので、記念イラストだけ貼らせていただき終わりにしたいと思います。

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以上、個人的な話が混じっていて恐縮でしたが、2019年 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー的、3大ニュースでした。

皆さまの2019年の3大ニュースは何でしたか?

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Posted by水瀬ケンイチ