いつもどおり一歩ずつ、一歩ずつ
水瀬ケンイチ

国内外の株式市場が下落しています。
ツイッター等のSNSでは、下げ相場恒例の「おはぎゃああああ」に加えて、ネガティブ情報を必死にリツイートしまくる人が増えています。
たとえば、急落した株価指数のチャートや、なぜか時間外に先物のチャートまで送ってきたり、どこで見つけてきたのか真っ赤なヒートマップみたいな画像(?)を送ってきたり、逆に発言が一切なくなり行方不明状態になったり。
かなり動揺している雰囲気を感じることができます。
つみたてNISAの真の効用、「買値の呪縛」からの脱却 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
株や投資信託で得た利益が非課税になるNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)。お得な制度なので、初心者の人は、ここからはじめたほうがいいと思います。 NISAには「つみたてNISA」と「(一般)NISA」があります。「つみたてNISA」は…
そんななか、上記トウシルのコラムでは、セゾン投信の中野社長が平常運転で情報発信されています。
「大事なのは毎月定額で積み立てることであり、価格が安いときは多くの口数を、高いときには少ない口数で買い付けることによって、購入単価は長期的に平準化され、結果的に効率良い投資行動になる」とのこと。
そのとおり、さすが。今こそ大事なことですね。
私はといえば、やはり平常運転です。特になにも変わったことはしていません。やっていることといえば、毎月1回の積み立て投資のみ。
下げ相場が来ると、ふだん積み立て投資しかしていない人も、「よーし、買い増しだ!!」と急に張り切って、投資タイミングを狙い始めたりします。昔の私もそうでした。が、往々にして、相場の底は当てられないものです。
「落ちてくるナイフをつかむのは危険」といって、いくら相場の底を確認しようとしても、短期的には市場はランダムに動いているので、理屈など関係なく上にも下にも行き過ぎます。
下げ続けた後に少し反発したところで、チャートでも騰落レシオでもPERやPBRの水準でも、様々な理由から「これは底にコツンときたかな」と思うタイミングでまとまった金額を投資しても、そこからさらに水準を切り下げて底が抜けて下がる……そんなことが繰り返されます。
積み立て投資家が慣れない「買い下がり」をしても、あっというまに余裕資金を使い果たし、結果的に、下げ相場でいたずらに傷口を広げるだけ。積み立て停止にとどまらず、底なし沼のような損失拡大が恐くなり保有資産を売却して市場から退場……そうなってしまった投資家をたくさん見てきました。
さて、金融庁が推進する「つみたてNISA」という少額投資非課税制度は、利益に対する税金が非課税であるだけでなく、年間の積み立て投資金額に上限があるし、投資方法も定期定額で積み立てることしかできません。
このため、下げ相場で色気を出して何か違うことをしようとしても、仕組み的にそれができません。つくづく「つみたてNISA」はよい仕組みだとあらためて思います。
上記コラムでセゾン投信中野社長がおっしゃるように、「つみたてNISA」では誰もが自然に、「値動きに心乱されず、どっしりとした長期投資家」になることができます。
余計なことをしないで、いつもどおり一歩ずつ、一歩ずつ、積み立て続けることをやめない。
それは、とてもシンプルながら、私自身がリーマンショック、東日本大震災などの危機を生き残って資産を増やすことができた秘訣でもあります。
1年前のこんなブログ記事がまた読まれているようです。1年前と今で、世界の理(ことわり)はなにか激変してしまったのでしょうか。何も変わっていないと私は思いますよ。
なぜ相場が下がっても放置すると儲けられるのか、その秘訣を教えてくれるコラム
なぜ相場が下がっても放置すると儲けられるのか、その秘訣を教えてくれるコラムが、マネー現代に掲載されていたのでご紹介します。...
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