SAISON CARDのセミナー『新春特別企画 「あなたを輝かせる投資スタイル」資産形成セミナー』レポート(その5)
水瀬ケンイチ
前回の記事、SAISON CARDのセミナー『新春特別企画 「あなたを輝かせる投資スタイル」資産形成セミナー』レポート(その1)、(その2)、(その3)、(その4)の続きです。
話題のセゾン投信について、さわかみファンドとバンガードとのパートナーシップに関する話が聞けました。
なお、今回が最後のレポートです。
司会
これから先、投信市場はどうなっていくのか?
澤上(さわかみ投信)
まともな投信は少ない。一方で、イメージ的には、10年間で100兆円くらいの市場になる。少なくとも50兆円は、さわかみファンドなどのまともな投信に集まるのではないか。時間が経つほど選り分けがされる。
司会
選り分けしてもらうためには、セゾン投信はどういうスタンスを?
宮澤(セゾン投信)
投信業界で後発なので、覚悟を持ってやる。今の投信を批判する以上、コスト、作り方を踏まえたうえで、分かりやすい商品にしたい。詳細は言えないが、積み立ては通常1万円単位であるが、5千円単位にしたい。ネットを通じて販売する。さわかみ、バンガードを軸にしたファンドオブファンズにする。
司会
米国バンガードは20数年前、ごく小さく始まったが、現在は巨大に成長した。成功に至るまでは、どう対応してきたのか?
加藤(バンガード・インベストメンツ・ジャパン証券)
最初は小さく始めた。広告費を使わない方針。
実は、なかなか大きくならなかった。しかし、創始者のボーグルのメッセージは、「本当に良い商品を作れば必ず売れる」だった。
長期、低コスト、分散投資という考え方は、アメリカでも自然に理解されたわけではない。一般商品と比べて、投信は良さがなかなかわからないところが難しい。良いものを提供することにプラスして、価値の啓蒙も必要。投資家にそれが分かってもらえないと、販売側が有利な商品ばかりになってしまう。401kマーケットが広がる時、スポンサーに情報提供を繰り返ししながら、大きくなった。
日本でも、そこを変えてまで、大きくなろうとは思わない。
そこに、白馬のように、長期、低コスト、分散投資という考え方を共有してくれるパートナーが、初めて現れた。
話題のセゾン投信について、さわかみファンドとバンガードとのパートナーシップに関する話が聞けました。
なお、今回が最後のレポートです。
司会
これから先、投信市場はどうなっていくのか?
澤上(さわかみ投信)
まともな投信は少ない。一方で、イメージ的には、10年間で100兆円くらいの市場になる。少なくとも50兆円は、さわかみファンドなどのまともな投信に集まるのではないか。時間が経つほど選り分けがされる。
司会
選り分けしてもらうためには、セゾン投信はどういうスタンスを?
宮澤(セゾン投信)
投信業界で後発なので、覚悟を持ってやる。今の投信を批判する以上、コスト、作り方を踏まえたうえで、分かりやすい商品にしたい。詳細は言えないが、積み立ては通常1万円単位であるが、5千円単位にしたい。ネットを通じて販売する。さわかみ、バンガードを軸にしたファンドオブファンズにする。
司会
米国バンガードは20数年前、ごく小さく始まったが、現在は巨大に成長した。成功に至るまでは、どう対応してきたのか?
加藤(バンガード・インベストメンツ・ジャパン証券)
最初は小さく始めた。広告費を使わない方針。
実は、なかなか大きくならなかった。しかし、創始者のボーグルのメッセージは、「本当に良い商品を作れば必ず売れる」だった。
長期、低コスト、分散投資という考え方は、アメリカでも自然に理解されたわけではない。一般商品と比べて、投信は良さがなかなかわからないところが難しい。良いものを提供することにプラスして、価値の啓蒙も必要。投資家にそれが分かってもらえないと、販売側が有利な商品ばかりになってしまう。401kマーケットが広がる時、スポンサーに情報提供を繰り返ししながら、大きくなった。
日本でも、そこを変えてまで、大きくなろうとは思わない。
そこに、白馬のように、長期、低コスト、分散投資という考え方を共有してくれるパートナーが、初めて現れた。
司会
参加者から事前にいただいた質問に2~3答えてほしい。
ファンドオブファンズの利用の仕方について教えて。
澤上(さわかみ投信)
ひとつの金融グループ内の商品だけで組むFOFが多い。良いものも、悪いものもあるが、ガラクタ集めただけのものもある。ピカピカのファンドをまとめたものがある。どういう志でやっているか。顧客から稼ごうではだめ。運用野郎たちのブティックで安く買えればいい。今までのFOFと、これからのFOFは違う。
司会
次の質問。長期投資でお金の不安は減らせるのか?
伊藤(千葉商科大学)
逆に、短期売買で不安はなくせますか?老後の不安を解消するのには、長期投資以外にはない。
司会
次の質問。長期投資で目先の市場の動きに動じない方法は?
加藤(バンガード・インベストメンツ・ジャパン証券)
見ないこと(笑)。まともな商品を買って、あとは天地に身を任せる。
司会
セゾンカードがこういうセミナーを開催する目的、投信を作る目的は?
林野(クレディセゾン)
他のカード会社と違うところを見せたい。カードというのは、支払いを延ばせる、ポイントは付くなど、いいことだらけなのに、日本では10%しか利用されていない。アメリカは25%。これからは、公共料金や税金も払えるように。
資産を増やしてもらって、カードで豊かな消費をしてほしい。つかう、ためる、ふやすを実現させるため。
この話に、澤上さんと加藤さんが乗ってくれた。加藤さんなんか、あの固くて有名なバンガード本社を口説いてくれた。
司会
最後にひとことメッセージを。
伊藤(千葉商科大学)
分散投資で言いたいこと。資産を8割と2割に分けて、8割は、国際分散投資のインデックスファンドに、残りの2割は、思いのこもった個別株や投信にするとよいのではないか。
よい長期投資のスタートを切ってほしいと思う。
澤上(さわかみ投信)
投信は、結果の約束はできない。しかし、大事なのは、本気で、正直に、誠実にやるということ。そういう約束はできる。こういう言葉は、今までの金融にはなかった。信頼と安心、これだけは断言できる。
加藤(バンガード・インベストメンツ・ジャパン証券)
長期、分散、低コストに尽きる。これは誰でも必要になる。始めるには早い方がいい。
エピソード。20数年資産運用をしているが、90年以降、日本で年金の運用が盛んになったころ、欧米人に「面白いねー日本は」と言われた。何故かと聞くと、「投資顧問の担当者が並んで株価ボードを見ているから」と言われた。これでは投資ではなくディーリング。
売ったってどうせまた買わなきゃいけないのだから、ずっと持っていればいい。
宮澤(セゾン投信)
準備ができ次第、ホームページなどで詳細を伝えたい。どうぞ期待を持ってお待ちを。
林野(クレディセゾン)
ウォーレン・バフェットという人がいる。彼は4兆円をゲイツ財団に寄付したすごい人。
そんなバフェットが初めて買ったハザウェイという繊維会社は、大失敗だった。次に買ったボルチモアという百貨店も大失敗。その後、それらを吸収して、優秀な経営者になった。
どんな優秀な騎手でも、駄馬に乗ったんじゃ勝てない。いい騎手はいい馬に乗せる。
投信で長期、分散、複利で増える。それだけじゃつまんない人は、私のように個別株も楽しめばいい。ただしこれは馬券を買うようなものだということはお忘れなく。
【水瀬所見】
さわかみファンドの澤上さんが熱く語れば、バンガードの加藤さんが冷静に分析する。そしてクレディセゾンの林野さんが笑いを取る!みたいな掛け合いが絶妙で楽しかったです。
そんななかに、長期投資をするうえでのヒントが、たくさんちりばめられていたと思います。
話題のセゾン投信については、詳細情報はありませんでしたが、バンガードとさわかみファンドというそれぞれ違う毛色の2社が、セゾン投信の「考え方」に、強い共感を示して実現したという経緯が分かったような気がします。
投資成果は別として、良いパートナーシップであることは間違いなさそうです。
メモの取りすぎで腕が死にましたが、セミナーに参加できなかった皆さんの、何かのお役に立てれば幸いです。
長文レポートに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
(おわり)
参加者から事前にいただいた質問に2~3答えてほしい。
ファンドオブファンズの利用の仕方について教えて。
澤上(さわかみ投信)
ひとつの金融グループ内の商品だけで組むFOFが多い。良いものも、悪いものもあるが、ガラクタ集めただけのものもある。ピカピカのファンドをまとめたものがある。どういう志でやっているか。顧客から稼ごうではだめ。運用野郎たちのブティックで安く買えればいい。今までのFOFと、これからのFOFは違う。
司会
次の質問。長期投資でお金の不安は減らせるのか?
伊藤(千葉商科大学)
逆に、短期売買で不安はなくせますか?老後の不安を解消するのには、長期投資以外にはない。
司会
次の質問。長期投資で目先の市場の動きに動じない方法は?
加藤(バンガード・インベストメンツ・ジャパン証券)
見ないこと(笑)。まともな商品を買って、あとは天地に身を任せる。
司会
セゾンカードがこういうセミナーを開催する目的、投信を作る目的は?
林野(クレディセゾン)
他のカード会社と違うところを見せたい。カードというのは、支払いを延ばせる、ポイントは付くなど、いいことだらけなのに、日本では10%しか利用されていない。アメリカは25%。これからは、公共料金や税金も払えるように。
資産を増やしてもらって、カードで豊かな消費をしてほしい。つかう、ためる、ふやすを実現させるため。
この話に、澤上さんと加藤さんが乗ってくれた。加藤さんなんか、あの固くて有名なバンガード本社を口説いてくれた。
司会
最後にひとことメッセージを。
伊藤(千葉商科大学)
分散投資で言いたいこと。資産を8割と2割に分けて、8割は、国際分散投資のインデックスファンドに、残りの2割は、思いのこもった個別株や投信にするとよいのではないか。
よい長期投資のスタートを切ってほしいと思う。
澤上(さわかみ投信)
投信は、結果の約束はできない。しかし、大事なのは、本気で、正直に、誠実にやるということ。そういう約束はできる。こういう言葉は、今までの金融にはなかった。信頼と安心、これだけは断言できる。
加藤(バンガード・インベストメンツ・ジャパン証券)
長期、分散、低コストに尽きる。これは誰でも必要になる。始めるには早い方がいい。
エピソード。20数年資産運用をしているが、90年以降、日本で年金の運用が盛んになったころ、欧米人に「面白いねー日本は」と言われた。何故かと聞くと、「投資顧問の担当者が並んで株価ボードを見ているから」と言われた。これでは投資ではなくディーリング。
売ったってどうせまた買わなきゃいけないのだから、ずっと持っていればいい。
宮澤(セゾン投信)
準備ができ次第、ホームページなどで詳細を伝えたい。どうぞ期待を持ってお待ちを。
林野(クレディセゾン)
ウォーレン・バフェットという人がいる。彼は4兆円をゲイツ財団に寄付したすごい人。
そんなバフェットが初めて買ったハザウェイという繊維会社は、大失敗だった。次に買ったボルチモアという百貨店も大失敗。その後、それらを吸収して、優秀な経営者になった。
どんな優秀な騎手でも、駄馬に乗ったんじゃ勝てない。いい騎手はいい馬に乗せる。
投信で長期、分散、複利で増える。それだけじゃつまんない人は、私のように個別株も楽しめばいい。ただしこれは馬券を買うようなものだということはお忘れなく。
【水瀬所見】
さわかみファンドの澤上さんが熱く語れば、バンガードの加藤さんが冷静に分析する。そしてクレディセゾンの林野さんが笑いを取る!みたいな掛け合いが絶妙で楽しかったです。
そんななかに、長期投資をするうえでのヒントが、たくさんちりばめられていたと思います。
話題のセゾン投信については、詳細情報はありませんでしたが、バンガードとさわかみファンドというそれぞれ違う毛色の2社が、セゾン投信の「考え方」に、強い共感を示して実現したという経緯が分かったような気がします。
投資成果は別として、良いパートナーシップであることは間違いなさそうです。
メモの取りすぎで腕が死にましたが、セミナーに参加できなかった皆さんの、何かのお役に立てれば幸いです。
長文レポートに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
(おわり)
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