半年でインデックスファンドへの流入1兆円で過去最高。これは金融機関も無視できない
水瀬ケンイチ
2020年の上半期だけで、インデックスファンドへの流入が1兆円を超え、過去最高になりました。これはすごいことでは!?
若年層を中心に投資による資産形成の機運が高まっている。株価指数などに連動する投資信託に流入する個人マネーは2020年1~6月に1兆円を超え、過去最高になった。新型コロナウイルスまん延で株価が急落した
三菱アセット・ブレインズによると、1~6月はインデックスファンド(ETF除く)に購入と解約などの差し引きで約1兆1670億円の資金が流入し、これは前年同期の約2倍の規模とのことです。
日銀が金融緩和の一環で買いまくっているETFを「除いた」インデックスファンドだけで、半年で1兆円の流入です。一方、同時期のアクティブファンドは約750億円の流出になっています。
インデックスファンドへの資金流入は、なにも直近半年に限った話ではありません。上記グラフでは、過去10年間のうち、インデックスファンドが資金流出していたのは2年(半年が4回)程度で、あとはずっと資金流入しています。
私自身の話をさせていただければ、この10年間のみならず、過去18年間にわたり毎月、毎年、変わらずインデックスファンドへの積み立てを続けてきました。利益確定あるいは損切り目的で、インデックスファンドを売却したことは一度もありません。
そのような個人投資家が少しずつ増えてきたのだと思います。上記記事によると、20~40代の個人投資家が牽引しているようです。
投資先進国の米国にはまだ及びませんが、インデックスファンドに半年で1兆円規模の流入があるということは、インデックス投資はもはや金融機関も無視できないムーブメントになってきているのかもしれません。
しかも、インデックスファンドへの積み立て投資という投資法は、一過性の流行ではなく、世界中の年金基金等の投資のプロが採用しているスタンダードな投資法です。
日本の個人投資家の間でも、ようやくそれが浸透しはじめてきたということかもしれないなと思いました。
ただし、インデックスファンドの積み立てならなんでもよいというわけでもありません。上記記事では、「eMAXIS Slim 米国株式」への急激な資金流入が紹介されています。しかし、これ1本では株式100%かつ一国のみに集中投資したポートフォリオになってしまいます。
自分のリスク許容度の範囲内になるように、世界中の株式や債券などを組み合わせた「資産配分」が、投資成果において非常に重要であることを付記しておきたいと思います。
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