そんなバカな!? インデックスファンドのびっくり仰天ニュース
水瀬ケンイチ
インデックスファンドに関するびっくり仰天ニュースがモーニングスターに掲載されていました。
モーニングスター ファンドニュース
2021/03/08 先週の流入額上位-「日経225ノーロードオープン」が約1年ぶりのトップ
驚いたのはインデックスファンドが週間流入額で1年ぶりのトップを取ったからではありません。「日経225ノーロードオープン」のような、高コストな旧世代のインデックスファンドが、いまだに新規に大量に購入されていることがわかったからです。
いくつかの日経平均連動インデックスファンドの手数料を比較してみます。
◆日経225ノーロードオープン
運用会社 アセットマネジメントOne
購入時手数料 なし
信託報酬 年率 0.88% ←バカ高い
信託財産留保額 なし
◆eMAXIS Slim国内株式(日経平均)
運用会社 三菱UFJ国際投信
購入時手数料 なし
信託報酬 年率 0.154% ←激安
信託財産留保額 なし
◆ニッセイ 日経平均インデックスファンド
運用会社 ニッセイアセットマネジメント
購入時手数料 なし
信託報酬 年率 0.154% ←激安
信託財産留保額 なし
◆たわらノーロード日経225
運用会社 アセットマネジメントOne ←「日経225ノーロードオープン」と同じ運用会社
購入時手数料 なし
信託報酬 年率 0.187% ←まあまあ安い
信託財産留保額 なし
「日経225ノーロードオープン」は、30年以上前に設定されてから投信コスト競争に一度も関わることなく、高コストのままふんぞり返った「過去の遺物」のようなインデックスファンドです。今どきの日経平均連動インデックスファンドの信託報酬は年0.1%台が普通なのに、「日経225ノーロードオープン」は年0.88%もかかるのですから。手数料がバカ高いです。
まったく同じ指数である日経平均に連動する「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」「ニッセイ 日経平均インデックスファンド」の信託報酬は年0.154%ですので、手数料は5分の1以下ということになります。信託報酬が低いということはその分、投資家が得られるリターンが増えます。逆に、信託報酬が高いとその分、投資家が得られるリターンは減ります。
「日経225ノーロードオープン」を運用するアセットマネジメントOneには、「たわらノーロード日経225」という日経平均連動インデックスファンドもあります。こちらの信託報酬は年0.187%です。上記eMAXI Slimとニッセイよりは少し高いですが、それでも手数料は4分の1以下。同じ運用会社の、同じ運用をするインデックスファンドですよ。
いろいろな理由から、過去に購入した投信をいま売却できないという事情はあるかもしれません。たとえば、昔に誰かとの「お付き合い」や顔を立ててあげるために購入したものだからとか、大きな含み益が乗っていて売却すると課税されて20%以上税金を取られてしまうからとか。
しかし、これから新規に「日経225ノーロードオープン」を積極的に購入する理由は見当たりません。
もし、使っている金融機関に日経平均連動のインデックスファンドがこれしかないというのなら、そんな金融機関はもう見限って、SBI証券か楽天証券にでも変えた方がよいでしょう。百歩譲って、時代遅れも甚だしい高コストインデックスファンドが存在すること自体はいいとしても、それを今でも新規に購入する人たちがたくさんいるのは驚きです。しかも、それが全投信の週間流入額のトップになるなんて「びっくり仰天」です。
投信の手数料(信託報酬)にあまり興味がない人が多いのかもしれません。ただ、中身がまったく同じ商品なら安い方がいいのは、なにも金融商品に限った話ではなく、食品や家電など一般的な製品・サービスでも同じことです。特別な事情がない限り、手数料が安いインデックスファンドを選んだ方がリターンが高くなるので良いと私は思います。
投資の世界では「知らない」ことは高くつくものです。
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