ソーシャルレンディングに使われている「匿名組合」という仕組みが信用できない…

水瀬ケンイチ

pexels-pixabay-416322.jpg


SBIホールディングスがソーシャルレンディング事業から撤退すると発表しました。

SBI、ネット融資仲介から撤退 違法な投資勧誘で

SBIホールディングスは24日、インターネット経由で集めた資金を事業会社へ貸し付けるソーシャルレンディング事業から撤退すると発表した。運営子会社のSBIソーシャルレンディング(東京・港)の一部ファンドで投資勧誘の違反行為が発覚したことを受け、事業継続が困難と判断。SBIソーシャルはすべてのファンドを償還し、自主廃業する。一連の問題で、金融庁はSBIソーシャルに業務停止命令を出す方針を固めている


SBIソーシャルレンディングの一部ファンドで投資勧誘の違反行為が発覚したことを受け、事業継続が困難と判断したとのこと。

個人から集めた資金を事業会社へ貸し付けるソーシャルレンディング自体が悪いわけではないと思います。貸し付け先の事業のなかには、社会のためになる素晴らしい事業も含まれていることでしょう。ソーシャルレンディングでなければ資金を調達できない案件もあるのかもしれません。意義はあることだと思います。

しかし、個人的には、投資家としてソーシャルレンディングのために使われている「匿名組合」というスキームが、どうしてもあまり信用できません。

匿名組合は「当事者の一方が相手方の営業のために出資をなし、その営業より生じる利益の分配を受けることを約束する契約形態」(Wikipediaより)で、もともと個人投資家向けの投資商品のために作られたものではありません。事業(ビジネス)用途の仕組みを、個人向け投資商品の組成に流用しているだけという認識です。

匿名組合も投資信託もいわゆる「ファンド」の一種ではありますが、ファンドはファンドでも、匿名組合は投資信託とくらべて、情報開示や金融機関破綻時の安全性など、個人投資家保護のしくみが弱すぎると思うのです。

投資信託は行政の監督を受けた投資信託委託業者によって厳しい監督の下で運営されており、目論見書や運用報告書を交付することが法律で義務づけられています。また、販売会社、運用会社、信託銀行の三者がそれぞれの役割を分担し、万が一どこかが破綻しても投資家の資産は制度的に守られています。

匿名組合は、過去に平成電電や安愚楽牧場など、事件になった詐欺的な商品に使われていたスキームだということも、私の心象を著しく悪くさせています。

どんな投資も投資である以上、リスクを取らなければリターンもありません。しかし、投資家が取るべきリスクと取るべきではないリスクがあると思います。たとえば、価格変動リスクなどは投資家が負わなければならないリスクだと思いますが、投資家保護が弱いというリスクは、個人投資家が取るべきリスクではないと考えています。

たとえ高い利回りの案件があったとしても、私は今のところソーシャルレンディングに手を出すつもりはなく、もう少し投資家保護の仕組みが整うまで待ちたいと思います。


※上記記事はいち投資家としての個人的な感想であり、さまざまな考え方の投資家がいることを否定するものではありません。また、投資ではなく応援・寄付のつもりであれば、他人がどうこういう話でもないと思っています。
関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ