低コストインデックスファンド「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」が新登場!
水瀬ケンイチ
低コストインデックスファンド「SBI・Vシリーズ」が新設され(旧SBI・バンガードシリーズ)、6月29日に新ファンド「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」を設定するとSBI証券が発表しました。
2021年6月15日より「SBI・バンガード」シリーズは「SBI・V」シリーズに名称を変更します。皆さまの長期の資産形成を応援する低コストのインデックスファンドシリーズです。
気になる新ファンドの概要は以下のとおり。
■SBI・V・全米株式インデックス・ファンド (愛称:SBI・V・全米株式)
CRSP USトータル・マーケット・インデックス連動
※バンガードが運用する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」が実質的な主要投資対象
信託報酬 実質的に年率0.0938%程度
■SBI・V・米国高配当株インデックス・ファンド (愛称:SBI・V・米国高配当株式)
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス(円換算ベース)連動
※バンガードが運用する「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」が実質的な主要投資対象
信託報酬 実質的に年率0.1238%程度
人気の米国株式のインデックスファンドですね。「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」は米国株式に投資するインデックスファンド。S&P500のような大型株だけでなく、大型株・中型株・小型株をカバーした約4000銘柄に投資できます。一方の「SBI・V・米国高配当株インデックス・ファンド」も米国株式に投資するインデックスファンドですが、その中で特に高配当銘柄約400銘柄に投資できます。いずれも、投資対象がバンガードのメジャーなETFで、低コストなインデックスファンドに仕上がっていると思います。
運用コストがクラス最安値更新です。競合ファンドとなる楽天VTI(信託報酬 年率0.162%)、楽天VYM(信託報酬 年率0.192%)よりも信託報酬が低く設定されており、SBIの意気込みを感じます。同じバンガードETFを投資対象とするので、運用に差はほとんど出ないはずなので、コストの差が効いてくることが想定されます。
もちろん、海外ETFである本家バンガードETFの方が低コストであるのは間違いないのですが、日本の投資信託でラッピングすることで投資信託の機能である分配金再投資や自動積み立てサービスに対応できるなど、日本の投資家にとっての利便性が格段に高められています。そのうえ、実質的な信託報酬の負担も税込みで0.1%台と非常に低い水準に抑えられています。
ネット証券最大手のSBI証券とSBIアセットマネジメントの本気が見て取れます。これは人気が出そうです。
SBI・Vシリーズの販売会社がSBI証券だけだと、もしSBI証券が「コスト安すぎて儲からないから取り扱いやーめた」と言ったら、投資家は売るしかなくなってしまうので、今後、複数の販売会社が出てくると投資家としてはさらに安心です。
また、シリーズ名称から「バンガード」の名前が消えて「V」だけになるあたりは、昨年のバンガード・インベストメンツ・ジャパンの日本撤退が影響しているのかもしれません。投資家とは無関係の金融機関の「大人の事情」だと思われ、一抹の寂しさはあります。楽天VTI・楽天VYMも名称変更するのか、運用コストの対抗値下げをするのかも含めて、今後の動向に注目したいと思います。
とにもかくにも、SBIさんグッジョブ!👍
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