「初めてならインデックス型」≠「慣れてきたらアクティブ型へ」

水瀬ケンイチ

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日本経済新聞に分散投資の良記事が掲載されています。

投信なら少額で分散投資 初心者はインデックス型から

投資信託とは多くの個人投資家の資金を集め、プロのファンドマネジャーに託して株式や債券で運用してもらう金融商品。少額から投資でき分散効果が高く、他の金融商品より自動積立がしやすいため、個人の資産形成の中核になり得る商品だ。ただ本数が多いので選ぶのが難しい。そこで今回は投信の選び方の基本を学ぼう。◇  ◇  ◇投資信託は証券会社や銀行で購入でき、ネット証券などでは月100円から積み立てできる。個


詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、むりやりまとめると、「初めてならインデックス型から」とのこと。

個別株投資よりも投資信託、アクティブファンドよりもインデックスファンド、毎月分配型よりも定期売却サービス利用、といった投資におけるトピックが簡潔にまとめられています。短い記事ですが、投資の要諦がとてもよくまとまっていると思います。

「初心者向け」と銘打たれていますが、インデックス投資もアクティブ投資も両方やった個人的な経験から、別にアクティブ投資が優れているわけでもないと感じています。ずっとインデックス投資でもなんら問題ないと思います。この記事ではないですが、世の中には、投資初心者が慣れてきたらインデックスからアクティブに移行していくのが、さも当然の手順であるかのような説明も散見されるのでちょっと注意が必要だと思います。

アクティブ運用とパッシブ運用のパフォーマンス比較のデータ…アクティブ運用は今年も散々な結果(2020年版)



S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が毎年発表している「SPIVA」というアクティブ運用とパッシブ運用(インデックス)のパフォーマンス比較データがあります。直近2020年の結果を見てみます。SPIVAではグラフで1年、3年、5年の成績がインデックスに負けたアクティブ型投信の比率を国別に見せています。米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、チリ、欧州、南アフリカ、インド、日本、オーストラリアの10カ国です。5年間の成績がイン...


投資の初心者も上級者も、インデックス投資がベースになるのが一般的ではないのでしょうか。公的年金を運用する世界最大級の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、ずっとインデックス投資をベースに据えていることがその証左です。

GPIFより運用期間も運用金額も劣るであろう個人投資家が、初心者から慣れていく過程で、みんな個別株投資やアクティブファンドのようなアクティブ投資へ向かっていくべきという意見は、手数料を稼ぎたい金融機関のバイアスがかかっているのではないか(一般にインデックスよりもアクティブの方が金融機関に入る手数料は高い)、という健全な猜疑心を持つくらいでないと、アクティブ投資でも成功することはできないでしょう。

もし、本業の仕事が忙しくなく、投資が趣味だったり、投資が好きで好きでたまらなかったり、投資で自分を成長させたいとか、投資で社会問題を解決したいというかたは、アクティブ投資を自由に選択すればよいと思います。人によって成功と失敗のばらつきが大きくなり、うまくいけば大きなリターンを得ることもできるかもしれないし、同時に、うまくいかなければ大損するかもしれない。じつにエキサイティングで奥が深く、人生をかけるに値するものかもしれません。

ただ、自分の投資に対する情熱・思いと、世間一般の投資に対する思いはいささか異なっているのかもしれないということも頭の片隅に置いてほしい。なぜなら、世間一般の人にとって、投資は趣味でも仕事でもなく、お金を増やす手段のひとつにすぎないし、毎日、毎日、本業の仕事や家族との生活で忙しく生きているのですから。

まとめると、「初めてならインデックス型」というのは皆に当てはまったとしても、「慣れてきたらアクティブ型へ」というのは必ずしも皆に当てはまるわけではないと思います。
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Posted by水瀬ケンイチ