アクティブファンドが人気だった欧州を含め、世界中で全世界株式インデックスファンドが伸びていますが…

水瀬ケンイチ

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モーニングスターによると、欧州で米国から11年、日本から8年遅れでパッシブ比率が2割を越えたとのこと。アクティブファンドが人気だった欧州でも、パッシブファンド(≒インデックスファンド)の人気がじわじわ浸透してきている様子です。


ETF人気の影響が大きいらしいですが、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が毎年発表している「SPIVA」というアクティブ運用とパッシブ運用(インデックス)のパフォーマンス比較データを見ると、日米と同様に、欧州でも7割のアクティブファンドがパッシブ(インデックス)ファンドに負けているのですから、そりゃそうなりますよね。

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(SPIVA® STATISTICS & REPORTS 2020 より梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー作成)

アクティブ運用とパッシブ運用のパフォーマンス比較のデータ…アクティブ運用は今年も散々な結果(2020年版)

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が毎年発表している「SPIVA」というアクティブ運用とパッシブ運用(インデックス)のパフォーマンス比較データがあります。直近2020年の結果を見てみます。SPIVAではグラフで1年、3年、5年の成績がインデックスに負けたアクティブ型投信の比率を国別に見せています。米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、チリ、欧州、南アフリカ、インド、日本、オーストラリアの10カ国です。5年間の成績がイン...


もうひとつ興味深いのは、2021年4月末までの過去3年間で世界中でグローバル株式(全世界株式)ファンドへ資金が流入する一方、欧州では欧州株が流出超過、米国では米国株が流出超過、日本では日本株が流出超過(ETF除く)しているという現象です。モーニングスターの記事ではこれを「となりの芝生は青く見える」影響と分析しています。

個人的には、各国とも自国の株式市場の上昇が続いているため「バブル」を警戒しながら、国際分散投資を推進することで少しでも分散効果を高めようとしているのではないかと見ています。各国の株式の期待リターンとリスクが同程度かつ各々の相関係数がピッタリ1でない場合、国際分散すればするほどリターンはそのままにリスクだけ下げることができるということは、数学的な事実ですので。

ただ、2008年リーマンショックの時も2020年コロナショックの時もそうだったように、いざバブル崩壊の大暴落が起これば、株式のなかで国際分散投資をしていようがいまいが、インデックスファンドだろうがアクティブファンドだろうが、仲よく一斉に暴落してしまうケースがほとんどだと思います。

もし大暴落のダメージを少しでも抑えたいのであれば、ポートフォリオの株式比率を下げて債券・現金比率を上げるか、投資金額自体を減らすことで、リスクを抑えることが必要でしょう。

インデックスファンドは素晴らしい商品だと思いますが、株式市場の暴落に対しては全世界株式インデックスファンドに投資しておけば安心ということではないと、心に留めておきたいところです。

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Posted by水瀬ケンイチ