早期リタイアのお金について「トリニティ・スタディー」に学ぶ
水瀬ケンイチ
日本経済新聞電子版に早期リタイアについての記事が掲載されています。シリーズ記事のようです。
まとまった資産や十分な副収入を手に入れ、早く会社を辞めて自由に生きたい……。サラリーマンの多くが一度は思い描くであろう「脱サラ」の夢。米国でも「アーリーリタイア」は今も昔も成功者の証しだ。そんな早期退職が今、「FIRE」という新たな名前を得て若者たちの熱い視線を集めている。その実情と、実際に若くしてFIREを果たした人たちの資産形成方法やライフスタイルを3回にわたり紹介する。
上記記事によると、若者の間で経済的独立と早期リタイア、いわゆる「FIRE」(Financial Independence, Retire Early)が熱い視線を集めているとのこと。
記事では、昔ながらのアーリーリタイアのように、投資収益だけでのんびり暮らす「Fat FIRE(豪勢なFIRE)」や、投資収益が少ない分をアルバイト等の収入で補う「Side FIRE(サイドビジネスでFIRE)」、医療保険が高い米国では、保険に加入する権利を得るために、コーヒーショップでパートのバリスタ店員などとして軽い就労を続ける「Barista FIRE」というFIREスタイルも登場していることを紹介しています。
トリニティ大学の教授が発表した退職後のお金についての研究結果で「トリニティ・スタディー」によると、まず年間生活費の25倍をリタイア資金として用意し、これを米国株:米国債=5:5の割合で運用すると、ここから年4%ずつ生活費を引き出しても、30年間は枯渇しない可能性が高いという研究結果が出ています。
(出所:Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable)
インデックス投資のバイブルといわれる「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)で紹介されている出口戦略の目安である4%ルールとほぼ同じです。(最新版の原著第12版では3.5%)
私も以前から早期リタイアを目指していますが、昔は早期リタイアは異端中の異端であり(現在でもいたんであることには変わりありませんが)、関連情報もろくな情報がありませんでした。ここ数年で早期リタイアにいろいろなバリエーションが出てきたこと、資産の取り崩しに対する研究が進んできたこと、早期リタイア実践者の体験談が増えてきたことはありがたいことだと感じています。
貪欲に取り込ませていただきます。感謝。
ただ、私にとっては、早期リタイアはあくまでも手段であって目的ではありません。20年近く行っているインデックス投資も手段。目的は、サラリーマンで朝から晩まで仕事をしていてはできない、ある分野で思う存分社会貢献することです。
実現までに長い時間がかかっていますが、もともとそういう計画です。多層的な準備を着々と進めています。
「FIRE」についての山崎元氏のコラムと「インデックス投資ナイト2021」でのこと
トウシルの山崎元氏のコラムです。コラム冒頭の「オンライン配信で開催されたある投資家の集まり」というのは、ほぼ間違いなく7/3に開催された「インデックス投資ナイト2021 スピンオフ企画」の第3部メイン座談会「インデックス投資のゴールはどこにあるのか? ~FIREについて語り尽くす~」のことだと思われます。「FIRE」について考える7つの論点 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア 最近、投資に関心のある人から「FIRE」...
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