GPIFのESG投資が苦戦しているようですが

水瀬ケンイチ

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公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2020年度のESG投資が苦戦しているようです。

GPIFのESG、7指数のうち6指数で超過収益得られず-20年度

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2020年度のESG(環境・社会・ガバナンス)の運用収益率は、選定した7つの指数のうち6指数で、ベースとなる親指数や市場平均を下回った。

ESGとは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の頭文字を取った言葉です。2020年度のESG投資は選定した7つの指数のうち6指数でベースとなる親指数や市場平均を下回ったとのこと。ESGを重視することは上場企業のトレンドなので、少々残念な結果です。

とはいえ、「2020年度ESG活動報告」によると、GPIFの運用資産額186兆円のうち、ESG投資は10兆円。比率でいえばわずか5%ちょいです。それまで2017年度からの4年間は7つの指数のうち6指数でESG投資が市場平均を上回ってたらしいので、勝率は長い目で見てあげたらいいんじゃないですかね。

個人的には、テーマ型の新規設定ファンドに飛びつかないのと同じように、ESG投資はまだ手を出していません。投資としての実績と今後の再現性を重視したい。E・S・Gのいずれもまず個人個人が公私における行動で実践することが重要なのであって、投資家の資産形成の場でことさらそれを強調することには、まだ少し違和感があります。

これから徐々に社会に浸透していくものなのでしょうね。


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Posted by水瀬ケンイチ