儲かっている時こそリスクを数字で確認
水瀬ケンイチ
世界的にコロナ禍が続き、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期のうえほぼ無観客のまま開催されたにもかかわらず、年初から先週末までの株式市場はほぼ右肩上がりで上昇しています。
SNS等を見ていると、今、リターンの話は盛り上がっていますが、対になっているはずのリスクの話はほとんど出てきていないように見えます。
私は将来の株価動向を予測することはできませんが、年初から上がったプラスと同じくらいのマイナスの暴落が来たとしても、理屈の上では(市場がだいたい正規分布に近いという仮定だと)おかしくないと考えています。今後、コロナショックのような暴落やもっと大きな大暴落が来るかもしれないという心構えはしています。
年初からの株価上昇で、運用資産のリスクが自分の許容度を超えている可能性があります。リスクといっても「危険」という意味ではなく標準偏差のことで数字で○○%と表せるリスクです。今の運用資産のリスクは何%でしょうか。プラスとマイナスを逆にしたら、耐えられる水準でしょうか。
もし、耐えられなさそうなくらいにリスクが上がってしまっていたら、運用資産に債券(特に国内債券)を組み込むか、あるいは運用金額そのものを減らせば、運用資産全体のリスク水準が下がります。
予想外の大きな損失をくらって一発退場にならないために、株価が好調な時こそ運用資産のリスクを数字で確認したいものです。耳にタコができているかもしれませんが、何度でも書きます。投資は自分のリスク許容度の範囲内で。
こんな記事も読まれています。当ブログで紹介するリスク調整の方法です。ご興味があればぜひご覧ください。
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前回の連載(第4回 保有資産の値動きの9割がこれで決まる!? アセットアロケーション(資産配分)を簡単に計算する)の内容が、とても重要だったので簡単に振り返ります。 アセットアロケーション(資産配分)で保有資産の値動きがほとんどが決まってしまうこと、自分のリスク許容度(耐えられる最大損失金額)の範囲内でアセットアロケーションを作ること、そして、保有資産の期待リターンとリスクを自動計算してくれる超便利...
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