年末恒例、「一般NISAをどうするか問題」が日経新聞に
水瀬ケンイチ
一般NISA(少額投資非課税制度)を使う人が、この時期に考えなければならないことについての記事が日本経済新聞電子版に掲載されています。
今年も残り2カ月。一般NISA(少額投資非課税制度)を使う人が、この時期に考えなければならないのが、口座にある株や投資信託などの金融資産の扱いだ。5年間の非課税期間が終わる年末までに、資産を移す口座や売却の選択を迫られる。慌てずにすむよう、早めに方針を固めておきたい。「毎年この時期になると悩む」。制度が始まった2014年からNISA口座を利用する東京都内在住の50代女性は苦笑する。NISA口座
詳しくは上記日経記事をご覧いただきたいのですが、無理やりまとめると、一般NISAは5年間の非課税期間が終わる年末までに資産を移す口座や売却の選択を迫られるが、長期運用なら継続(ロールオーバー)が基本とのこと。
基本的に私も同じ考えで、ロールオーバーする予定です。
NISAは利益が出ているならそれが非課税になる特大級のメリットがある一方で、損失状態で終わると非課税メリットを得られないだけでなく、損益通算や繰越控除ができないという追加のデメリットがあります。だから、5年後に投資したインデックスファンドやETFが儲かっているかどうかが重要になってくるわけです。
しかし、5年前に投資したものが、今から5年後にも利益が出ているかどうかなんて誰にもわかりません。この年末恒例の「一般NISAをどうするか問題」は、誰しも現時点で正解を持ち合わせていないというのが身も蓋もない事実です。
ただ、2024年からは一般NISAは「新NISA」へと制度が変わります。一般NISAを使い続けた場合、この新NISA口座へロールオーバーできるようになります。事実上、非課税期間が当初の5年間から、ロールオーバーで10年間に、さらに新NISAへのロールオーバーで15年間に延長できるようになることが、上記日経記事ではわかりやすく図解されています。
新NISAは、条件を満たす投信のみを積み立て投資する1階部分(上限は年20万円)と、投信のほかETFや個別株にも投資できる2階部分(上限は年102万円)の2階建て。より一層ややこしくなりますが、時限措置で無くなるはずだった一般NISAが似た非課税制度に変わって延命したと考えれば仕方ない。無いよりずっとマシです。
投資商品や投資方法などが自分の投資方針に合致していれば、有利な非課税制度なので引き続き活用したいと思います。
こんな記事も読まれています。
今年もNISA口座のロールオーバー手続き(2017年分)が案内されましたが…
NISA口座(つみたてNISAではなく一般NISAの方)の2017年投資分について、もうすぐ非課税期間の5年が経つため、ロールオーバーの案内が来ました。2017年分のNISA口座では、海外ETF「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)等を120万円購入して、幸いにも分配金を含め約75万円の利益があり、現在、時価約195万円になっています。もしここで売却すれば、単純計算で75万円の利益に対して本来かかる15万円(75万円×20%=...
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