「つみたてNISA」の途中売却をセゾン投信会長CEO中野さんが残念がっています。わかる!わかるけど…
水瀬ケンイチ
「つみたてNISA」で投資した資金を途中売却する人がいることを、セゾン投信代表取締役会長CEOの中野さんが残念がっています。
つみたてNISA、途中でやめる残念な人 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
投資初心者必見!つみたてNISAの最大の魅力を解説。投資で失敗する人はどんな人?
つみたてNISAの最大の魅力は投資してから20年間という長期の非課税期間なので、1~2年で売却してしまうのは良さを生かしきれない残念な人だと中野さんは書いています。
わかります。つみたて投資は継続することが重要です。基本的には私も同感です。私もインデックス投資を始めてから今まで約20年間、インデックスファンド・ETFを利益確定ために売却したことはほとんどありません。バイ&ホールドです。
投資できる上限金額は決して多くはありませんが、投資してから20年間という非課税期間が、20年間毎年スライドして続いていくというのは、つみたて投資家にとってメリットが特大の良い制度です。多くの場合、サラリーマンが毎月の給料から捻出した少額をつみたてていくというスタイルにフィットする制度でもあると思います。
ただ、以前にも書いていますが、1~2年で売却してしまうのは残念という点については、やむを得ない部分があると思います。
大局的に見ると、制度として「つみたてNISA」とよく比較される「iDeCo」(個人型確定拠出年金)や企業型確定拠出年金が原則60歳まで引き出せないのに対して、「つみたてNISA」はいつでも売却自由なのがメリットだという考え方があります。つみたてNISAで投資した資金を1~2年で売却した人でも、iDeCoや企業型DCは続けているかもしれません。
つみたてNISA全体に占める売却金額の割合を見てほしい。売却されたのは、2018年の制度開始から3年で買付金額全体の1割程度です。この推計は以前ブログでも紹介しました(該当記事)。この程度なら売却があってもおかしくない水準だと私は思います。つみたて投資を継続することの重要性は当然含んだ上で、「つみたてNISAの資金を売却する人=残念な人」という決めつけはいささか短絡的すぎるのではないでしょうか。
つみたてNISAをはじめるような若い個人投資家は、結婚や出産や住宅購入など何かと要りような世代でもあります。そのような事情にも寄り添っていただけるとありがたいと思います。
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